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唇を離すと、そのままミツに指で俺の唇をなぞられる。
それだけで嬉しそうに微笑むから、思わず頭を撫でた。
こんなに素直に甘えられたこと…今まであっただろうか。
「ねぇ…みつ？なんで、あの時…最低って言ったの」
K「たまが、有名になること…
心の中では、応援できてなかったから」
そういえば、あの日の発端は
俺が仕事の話をする度、いつもミツが浮かない顔で話を聞いていたことを、俺が口に出したからだった。
K「ずっと不安だった。もし、たまが稼げるようになったら
俺、いらないんじゃないかって」
そんな、と言うとミツはすぐごめんと謝る。
K「たまは俺が避けても、ずっと逃げずに
言葉で好きって言ってくれてたのに、信じられなくてごめん」
「…俺、ミツにそろそろ呆れられてるんだと思ってて。
だから、急に力入れたんだ動画に。
それで…仕事ちゃんとしてるよって呆れられないように、わざと事細かく伝えてた」
K「俺、呆れてなんか」
そう言われて、今度は俺がすぐにごめんねと謝った。
「今回で嫌なほどわかったね。
何年付き合ってても言葉っているんだよ。
不安なこととか、ちゃんと伝えるようにしよう？」
K「うん…でもね、たま。別に動画辞めなくていいんだ
俺、たまのこと縛るのが怖くて、何も言えなくて」
「そう言うと思った。でももうやらない」
K「え、なんで」
「ミツのためと思ってやってただけだから。だからやめる。
俺縛られてるとも、思ったことないよ？
もし、何か言われて嫌だったらそれも伝えるからさ
まずは、思ったこと言って。ミツは自分の中で抱えすぎなの」
K「…うん」
まだ、少し納得してなさげに頷くミツに
そうだ、と立ち上がる。
「それに俺目標達成したから、もう収益もいらないんだ」
なんておかしなニートのひも始動発言だ、とも聞こえるが。
まあ、ミツが俺の稼ぎを求めてないんだもんね。
新しいスマホ以外に、たった一つ持って帰ってきた荷物。
「みつ。結婚はできないけど、一生一緒にいて欲しい」
隣に腰掛けて、パカッと箱を開ける。
K「これ、たまが…買った、の？」
「うん。ちゃんと自分で稼いだお金で買ったよ」
そっとリングを抜いて、ミツの左手を取る。
「ごめん、ちょっと緩かったね」
しばらくは何事か分かっていないかのように
薬指を見つめていたミツが
K「たまぁ…っ、」
ぽろっと一粒涙を溢すと、俺に抱きついて
Tシャツがびしょびしょになるくらいまでミツは泣いた。
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櫻弓 想(プロフ) - わたたいさん» コメント、応援ありがとうございます😊🎵 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: 463202596f (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 続き楽しみです!更新楽しみに待ってます！ (2022年8月3日 1時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» 応援ありがとうございます☺️ (2022年7月25日 1時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
20090301sora(プロフ) - 櫻弓 想さん» ありがとうございます！お話楽しみにしています！ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 3ab1df2fa5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» コメントありがとうございます。新しいお話を非公開状態で、保存だけしているのですが、お話を開いたときの最新更新時間はその保存した時の時間で出るみたいです💦公開ありでの最終更新時間は、私の作品一覧から見られます🙇🏻♀️ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2022年6月8日 21時
