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初夏。プロジェクトは無事大成功に収まり
俺たちの多忙すぎる日々は終わった。
「北山今日何食べたい？」
K「…うーん、藤ヶ谷の好きなもんでいい」
時の流れは早いもので、結局もう2ヶ月も北山との同棲生活が続き、呼び捨てになるほど距離は近づいた。
会社も車で、行きも帰りも一緒。
「…そうえば、好きな食べ物なんなの？」
K「前は肉ばっか食べてたけど。今はいらないかな」
「そう…」
忙しさが収まれば、北山が抱える問題は解決せずとも
少しは体調が治まって、それがメンタルの改善にもなるのではないかと思っていた。
そしてゆっくりでも、俺のこと見てくれたら…って。
だから、プロジェクトが無事に終了して安心していたのに。
逆効果だった。
家では辛そうにしてるのに、会社では何もないかのようにバリバリ働く北山を心配していたが
逆に、プロジェクトで忙しかったことが、北山を活力的にしていた気がする。
何も目標がなくなった今、北山のメンタルはもっと落ち込んでしまった。
北山を心配する声も会社で耐えないくらいに日々痩せてしまっているし…(それをかっこよくなったという女性社員もいるけれど)
二階堂に聞くところ元々アクティブな方だったみたいだが、すっかり籠るようになってしまい、休日はずっと2人で家にいる。
K『何でこんなに達成感がないんだろう』
プロジェクトが終わった日に、北山はそう言った。
会社では明るく振る舞っていたのに、家に着くとすぐ無理してでもタバコを握って離さぬまま、悲しい言葉ばかりを呟く。
K『俺、たまのために仕事頑張ってたんだなー今まで』
そうしてまた、毎晩毎晩涙を流す。
食欲も回復する気配がないし、いい加減おかしいと思い
大袈裟だと言って嫌がる北山を精神科に連れていくと、鬱の初期段階だと診断され、いくつか薬を処方された。
K『藤ヶ谷いなかったら、俺どうなっちゃってたんだろうな』
そんなことをもうずっと言っているのに、俺のことは好きにならないんだ。
いつも、結局たまさんばかり思い浮かべて泣く北山が
俺のために泣く時はくるのだろうか。
こんなにも、そばに居るのに見向きもしてくれない北山と
一緒に過ごすことが、最近は幸せなのかわからなくなってきた。
望んだのは俺だったはずなのに。
だって、こんなに手に入らないだとは思っていなかったんだ。
それでも、そばから離したくないと思わせる北山は。
本当にずるい。
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櫻弓 想(プロフ) - わたたいさん» コメント、応援ありがとうございます😊🎵 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: 463202596f (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 続き楽しみです!更新楽しみに待ってます！ (2022年8月3日 1時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» 応援ありがとうございます☺️ (2022年7月25日 1時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
20090301sora(プロフ) - 櫻弓 想さん» ありがとうございます！お話楽しみにしています！ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 3ab1df2fa5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - 20090301soraさん» コメントありがとうございます。新しいお話を非公開状態で、保存だけしているのですが、お話を開いたときの最新更新時間はその保存した時の時間で出るみたいです💦公開ありでの最終更新時間は、私の作品一覧から見られます🙇🏻♀️ (2022年7月25日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2022年6月8日 21時
