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2「あの〜…ミツ先輩のこと何か知ってます?」


喫煙室にいると、そろっと顔を出してきた二階堂にそう聞かれた。

そうえば二階堂って、たまさんと繋がってたな。


「知ってるよ。全部」

2「え、どうしたんっすか?」

「たまさんに聞かれたの?」

2「ま、まあ…それもあるし、俺も気になるし…」

「ははっ、そっか」


じゃあ、今ここでの俺の発言は全てたまさんに伝わるのか。


「昨日、俺が教えた場所に深夜にふらふら来てたから保護した。たまさんと何かあったみたいだし、体調悪そうだったから、俺の家に帰らせたよ」


実際あの後、北山さんが俺の家に帰ったかは知らない。

でも、自信あったし。今少し自分が優勢な立ち位置なことアピールしたかったから、わざと正直に話した。

でも、救急車で運ばれただなんて言わない。心配して取り戻しに来そうじゃん。


俺はずるいから大切なことは教えてやらない。


2「え…ミツ先輩大丈夫ですか?」

「うん。明日には来るんじゃない」

2「そうですか…うーん」

「なに?」

2「あ!いや、同棲してたら男友達で喧嘩もあるもんだなー!って思って!!ははっ」


焦ったようにそう言う二階堂に、思わず鼻で笑ってしまう。

え?という顔をした二階堂に、俺全部知ってるよと言った。


2「し、知ってるって…な、なにを」

「2人が付き合ってるって」

2「あっはは…、そ、そうだったんですね!
2人がそこまで仲良くなってるなんて」


お互い煙を吐き出すだけの時間が流れる。

だが、何だか落ち着きのなさそうな二階堂に何?と思わず顔を見る。


2「知ってる…上で、家呼んだんですか」

「うん。そうだけど」

2「それに俺が教えた場所って?」

「残業2人でしてた時に、なんか北山さん辛そうだったからさー。たまさんの話なら聞くよって、俺がよく散歩しに行く桜並木道に連れてったの。そこ、昨日たまたま1人で散歩してたら北山さんが来てたんだ〜」

2「桜並木…へえ」


まあ、今は完全に緑だけどね。と呟く。


そうだ。なのに北山さんは来ていた。わざわざ、北山さんの家からは近くもないあの場所に。

あんなボロボロの体で。


「んふふ、可愛くない?北山さん」

2「…え?」

「普段しっかりしてるし、男らしいのにね。
ちゃんと知れば、見た目通り中身も可愛いんだなーってつくづく愛おしくなっちゃうよ」

2「…あはは」


遠回しにアピールしたのもわざとだ。周りにあいつもしかして、と気付かせるのも大切だろう。

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櫻弓 想(プロフ) - mi-chanさん» コメントありがとうございます!玉北にうまくいってほしい人と、藤北を応援する人で別れるところですね🤣ニカちゃんは、ガヤさんのことを怖いと思っていたばかりに優しくされて落ちちゃったようです(笑)メランコリーはガヤさんが一番罪な男です😅 (2022年5月18日 9時) (レス) @page39 id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - いい感じに面白くなってきました!このままお互いくっついちゃえばいいのにって思っちゃいました(笑)でもニカちゃんが意外…続きが気になります! (2022年5月18日 2時) (レス) @page37 id: fa52f3ba38 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - nanacoさん» nanacoさん!コメントありがとうございます。藤ヶ谷さんにはどんどん暴れていただいて、読者様に一体どっちを応援したらいいのかわからなくなってもらうのが筆者の狙いでございます(笑) (2022年4月5日 22時) (レス) @page1 id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 急展開!玉ちゃん急に冷たくなっちゃってどうしたんだろう…でも今こそ藤ヶ谷さんの付け入る隙ですよね…( ;꒳​; ) どちらを応援したら良いのかここまで分からないまま読むのは初めてです😂優しくなった藤ヶ谷さんに気持ち寄ってます🥲 (2022年4月5日 7時) (レス) @page6 id: 4381ad5f86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年4月5日 2時

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