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「ぅー…」
藤ヶ谷さんどこ行っちゃったんだろう。
早く帰ってこねーかな。もう早くたまがいる家に帰りたい。
「げほ…っ、けほっけほっ！う、そ…げほっ！」
酒にだけは負けないと思ってたのに
完全に酔っているし息苦しくなってきた。
ひたすらに耐えていたら、藤ヶ谷さんが帰ってきて、ビニール袋片手にえらく焦り出して、気が付いたら二階堂に声をかけられてた。
苦しい、帰るって、なんとか伝えた気がする。多分。
二階堂に抱えられるようにタクシーに乗り込んだことも、頭はぐらんぐらんしてるし、咳で涙が出てきて視界は揺らいでるし、一生懸命すぎてあまり記憶がない。
F「北山さん…大丈夫？」
「ん…」
横にいたのは藤ヶ谷さんだった。考えられないくらい優しい顔してて…なんだやっぱいい奴じゃん、なんて思った。
幸い咳は酷くはならなくて、タクシーに乗ってる間に酔いも少し醒めた。
そう。俺は…酔いから醒めていた。
F『彼女と同棲してるんじゃなかったの』
F『性別じゃない。好きな人には払わせないよ』
F 『北山さんが男と付き合ってるのかなって期待してる。
女と付き合われるよりは、十分可能性あるでしょ』
だから…耳に残ってるあの変な言葉たちも、腕を掴まれたのも
全て本当なんだ。
F「…さん。北山さん…？」
「え…あ、ん？」
F「これ、使って。じゃあ、ゆっくり休んでね」
渡されたのは、あの時帰ってきた藤ヶ谷が持ってたビニール袋。
「くす、り…？」
こいつ歩く薬局か。どんだけ毎回買ってくるんだよ。
「悪いな…てか、タクシーかえしたの？どうやって帰んの？」
F「すぐそこの駅から。
俺会社の寮に住んでるから、一駅で着くよ」
スッと藤ヶ谷の手が伸びてきて、ポンと頭に置かれた感覚がした。
「え、」
F「だから、心配しないで。
たま…さん？では、後はよろしくお願いします」
T 「あ…は、はい。お世話になりました」
あーわざと名前呼んで仕掛けてきたなこいつ、と思う。
もう藤ヶ谷さんの中で、「たま＝恋人＝男」って結びついてしまった。
女…と付き合われるより可能性あるでしょ…
って、え、そういうことなの…か？
いや、自惚れてる？
まさか藤ヶ谷さんが俺のこと…なんて。
T「俺名前なんて言ったっけ」
「二階堂が…言った」
T「いい人だね」
それだけを言って、俺の腕を握ったまま引っ張られるようにマンションへと足を進めていった。
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櫻弓 想(プロフ) - mi-chanさん» コメントありがとうございます！玉北にうまくいってほしい人と、藤北を応援する人で別れるところですね🤣ニカちゃんは、ガヤさんのことを怖いと思っていたばかりに優しくされて落ちちゃったようです（笑）メランコリーはガヤさんが一番罪な男です😅 (2022年5月18日 9時) (
レス) @page39 id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
mi-chan(プロフ) - いい感じに面白くなってきました！このままお互いくっついちゃえばいいのにって思っちゃいました（笑）でもニカちゃんが意外…続きが気になります！ (2022年5月18日 2時) (レス) @page37 id: fa52f3ba38 (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - nanacoさん» nanacoさん！コメントありがとうございます。藤ヶ谷さんにはどんどん暴れていただいて、読者様に一体どっちを応援したらいいのかわからなくなってもらうのが筆者の狙いでございます（笑） (2022年4月5日 22時) (レス) @page1 id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 急展開！玉ちゃん急に冷たくなっちゃってどうしたんだろう…でも今こそ藤ヶ谷さんの付け入る隙ですよね…( ；꒳； ) どちらを応援したら良いのかここまで分からないまま読むのは初めてです😂優しくなった藤ヶ谷さんに気持ち寄ってます🥲 (2022年4月5日 7時) (レス) @page6 id: 4381ad5f86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2022年4月5日 2時
