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2「み〜つ〜せ〜ん〜ぱ〜い〜ぃ!!」

「んだよ…」


昼休み、トイレで二階堂が半泣き状態で抱きついてきた。

こいつが何故半泣きで何故抱きついてきたのか理由はしっかりわかっている。


2「また怒られた…あの冷たい目で…ひっくい声で!」

「あー…そう」

2「ミツ先輩なら、これ間違ってっぞ〜で済むようなことで!
あの人はめちゃくちゃ不機嫌なんです!」

「お前、俺のことなめすぎな」


理由は藤ヶ谷さんだ。


助けてもらった恩から、勝手に理想を描いてたというか…。

仕事ができるかつ、優しくていい人だなんて思ってたら
まあ冷淡なやつというか…悪い言い方すると無愛想というか。

俺は立場的に藤ヶ谷に怒られるなんてことはもちろんないが、二階堂は毎日コテンパンにやられている。

2「はあ…超いい人だって安心してたのに」

「別に悪い奴ってわけじゃねえだろ?
俺らが勝手に人柄描いちゃってただけじゃん。
あれくらい厳しい上司がいるのは普通だろ」

2「そうですけどおおお。怒るのはいいけど、なんだろう…
ミツ先輩は怒る時に、愛があるの伝わるんですよ!
だから、俺のために怒ってくれてるんだな〜ってわかるけど
でも…なんというか、藤ヶ谷さんは無で怒ってくるんです!!
昨日、資料出したら真顔で遅いとか言われたし。愛がない!」

「んだよそれ…。まあ確かに無愛想なヤツだなとは思うけど
そんな言うならお前が怒られないよーに仕事しろ」

2「はーミツ先輩までそんなこと言うんですね…」


ああ、そうだった…
こいつは褒められたら分かりやすく伸びるヤツだった。

洗面台の鏡に映る二階堂の顔がこれでもかと言うほど暗い。


「…はぁ。…俺は、お前にいてほしくて推薦したし、
頑張ってくれてんのわかってるから」


疲れているからと後輩の扱いをおざなりにするのはよくない。


2「もうミツ先輩大好きっ!」

「やめろお前っ!」



「あ…」



二階堂に抱きつかれながら、騒がしくトイレから出るとそこには藤ヶ谷さんの姿。

2「ひいっ!!」

F「………」

いや、そんなあからさま怖がったら誰でも不機嫌なるだろ…バカかこいつは。

「あ、ごめん…入りにくかった…か?」

トイレの前で突っ立っていた藤ヶ谷に違和感を抱き、二階堂を引っ剥がしながらそう言った。

F「外まで悪口聞こえてたらね」


それだけを言ってスッと中へ入っていく藤ヶ谷さん。

その声のトーンと言葉と、身長差で見下すような冷たい視線には、さすがに俺も固まった。

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櫻弓 想(プロフ) - のこさん» はじめまして!コメント気づくの遅くてすみません🥲どきどき読んでいただきありがとうございます!!ご期待に添えるような作品になるよう頑張ります! (2022年5月15日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - もしかしてはじめましてかも。いつも楽しみにしています。次の展開にドキドキしてますが北山担としては北山くんが愛されてるのが嬉しいです。みんな幸せになりますように (2022年4月2日 7時) (レス) @page50 id: c027cef8fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年3月12日 21時

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