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藤ヶ谷さんに頂いた薬を飲んで、二階堂が買ってきてくれたおにぎりを何とかちびちび一つ食べるとスッと怠さが引いてきて、食事の大切さを改めて知らされた。
2「ミツ先輩がおにぎりがっつけないなんて相当っすね」
「今は仕方ねーだろ…」
2「最近心臓悪いことばっか!
ミツ先輩に寿命縮められてる気がします」
4月から藤ヶ谷さんが俺と同じ部署に配属されるなんて偶然は考えずらいし、バッタリ会うことできるだろうか。
お礼はいいと言われたが…さすがになぁ。
2「え、ミツ先輩帰らないんですか?」
「は?帰んないよ。元気なったし、いっぱい仕事あるし」
二階堂と一緒に仕事場へ戻り、俺が当たり前のようにパソコンを触り出すとそんなことを言われた。
荷物を取るためにここへ帰ってきたと思われたよう。
2「今日くらい帰ればいいじゃないですか〜
体調不良に、恋人の誕生日。早く帰る条件超揃ってません?」
「今日帰ったら、休日返上だろ。
休日にお祝いする約束してんのー」
2「次の休日に遅らせたら良くないですか?」
普通の顔してそう言ってくる二階堂に、は?と返した。
約束してるし、ただでさえ当日じゃないのに
さらに遅らせるなんて…ありえなくないか?
2「ミツ先輩って、何をそんな必死になってんっすか?」
は?と言った俺に対して、また普通の顔してそう言ってきた二階堂に俺は再び、は?と返した。さっきより声量を上げて。
2「なんか僕には、そう見えるんですよねー。
ミツ先輩って、意外と自分に自信ないですよね?
たまにあれだけ分かりやすく愛されてんのに、なんかミツ先輩必要以上に必死にたまを追いかけてるように見えます」
「何言ってんの」
2「別に無理せずに、お祝い次の休日に遅らせてもいい?
って言っても、たまは拗ねないし離れないですよ」
そんなのわかんないじゃん。なんて思う俺は、二階堂の言う通り自分に自信がなくて、必死なんだろう。
でも…
仕事が忙しいを理由に恋愛がおざなりになって
恋人とうまくいかなくなるなんて、よくある流れだ。
そんなことには…なりたくない。
「恋人のこと大事にするのは当たり前だろ?
別に無理してねえよ」
2「ミツ先輩は無理してますよ。
たまは、愛されてるって十分分かってるから無理せず恋愛できてます。だから、お祝いを遅らせられても平気だろうし不安にならない。
ミツ先輩も、そんな風に余裕持たないと」
え、俺って。
後輩に余裕ないって見透かされるほど重いの?
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櫻弓 想(プロフ) - のこさん» はじめまして!コメント気づくの遅くてすみません🥲どきどき読んでいただきありがとうございます!!ご期待に添えるような作品になるよう頑張ります! (2022年5月15日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - もしかしてはじめましてかも。いつも楽しみにしています。次の展開にドキドキしてますが北山担としては北山くんが愛されてるのが嬉しいです。みんな幸せになりますように (2022年4月2日 7時) (レス) @page50 id: c027cef8fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年3月12日 21時