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たまのリアクションになんの悪気もない…なんてことわかってる。

息を切らしてる俺にただ驚いたあと、ただ心配してくれて
あーなったことなんて…わかってる。


T「どうしたの?」

「間に合わないかと思って…」

T「え…?」

「え?って…誕生日だよ」


何食わぬ顔で、ゲームだか編集だかをしていたたまを見て…

なんだ、はしゃいでるの俺だけかって。


いやでも訳が分かった今、きっとこいつは喜んで飛びついてくるって思い込んだのに。


T「もう…この歳になってそんなこと気にしなくていいのに」


その言葉にも、悪意がなかったことはわかってる。


俺だけ張り切ったかとか、邪魔したかとか

うん、なんて…言えないような質問をしちゃって


気が付いたら目頭が熱くなってきて…泣いてた。


でもさすがに不安で泣いたなんて言えなくて。
泣いて言葉がつっかえてしまうのをいいことに、その場作成で辿々しく嘘を連ねた。

トラブって良かった、誤魔化しに使えたよ二階堂…なんて
必死に謝ってた二階堂には悪いが、そんなことを思った。


不安になればなるほど面倒臭くなる俺の行動。
こんなことしちゃ、たまに本当に飽きられちゃうって考えるほど抑えられなくなった。


それでもたまは、もっと甘えてって言ってくれて
来年も祝ってよって…言ってくれて

朝になれば幸せだって…。


「…う、ぅ…っ、」

ガンガン殴られるような頭痛と、床が回るような感覚の中
そんな昨日と今朝の出来事を思い出す。


やだ…離れたくない…いつまでも「幸せ」って言ってくれた
あのカッコいい顔を独り占めしたい。

たまを繋ぎ止めておきたい。


今回はなんとか嘘をつけてマシにできたけど
いつか俺の面倒臭さが実はもっと深いもんだ、なんてことを知られたら…


そんな女々しいことを考えてたら脚の力が抜けていて、トイレへ辿り着く前に廊下にしゃがみ込んでいた。

頑張んなきゃいけないのに、動かない。


たまのために、頑張らなきゃ…いけないのに。


別に今週の休日に祝うためとか
今日できるだけ早く帰るためだけの話じゃない。

これから、ずっと俺がたまを幸せにしたいから。


離れられないように…頑張らなきゃ。


あーあ。朝せっかくたまが幸せなんて言葉にして言ってくれて

それでちょっと、勝手に不安になることから回復してたのに。


なーんで…また一瞬でこんな考えばっか広がるかな。

この体調のせいかな…。



「あの、大丈夫…?」

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櫻弓 想(プロフ) - のこさん» はじめまして!コメント気づくの遅くてすみません🥲どきどき読んでいただきありがとうございます!!ご期待に添えるような作品になるよう頑張ります! (2022年5月15日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - もしかしてはじめましてかも。いつも楽しみにしています。次の展開にドキドキしてますが北山担としては北山くんが愛されてるのが嬉しいです。みんな幸せになりますように (2022年4月2日 7時) (レス) @page50 id: c027cef8fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年3月12日 21時

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