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早く帰ると意気込んでいたたまの誕生日前日であった昨日。

トラブった分を片付けただけで23時を超えていて、本来その日できたはずだったものは明日無理する覚悟で放置して走って帰った。


だから、今日は…無理しなきゃいけない日だし

今日無理しなきゃ、休日が2日とも潰れてしまう。
そしたら…たまとの約束が。それだけはダメだ。

でも今日は今日で当日だし、できる限りは早く帰りたい。


「たま、おめでとう」

T「ん…ふふ、ありがと」


家に出る前まだ寝ぼけてるたまに、おめでとうと声をかけて頑張って自分から軽いキスをした。

そしたら腕を掴んでもう一回キスをしてきたたまが、寝ぼけてるくせにカッコいい顔で「幸せ」なんて言ってきたから


たまをめいいっぱい祝える休日のために、頑張ろうって張り切って出てきた。


なのに


「……っ、」


まだまだ先は長い夕方。朝から体は少し怠いと思っていたが、かなり酷くなってきた。

なんだかパソコンの画面が霞み始めて、気分が悪い。首筋にダラダラと冷や汗が流れるのが分かる。頭も痛い。


2「ミツ先輩…?!」

どーぞとコーヒーを横に置いてきた二階堂が、俺の様子が変なことに気付いたのかいつも通りでっけえ声を出して顔を覗き込んできた。

「ん…?」

2「ん?じゃないですから!顔色酷い!!」

「へーき…」

2「絶対平気じゃない顔色ですっ!帰ってください」

「むり、」

2「すみません、僕が…」

「ちがう、気にすんな」


ほら、だから二階堂にはバレたくなかったんだ。
責任感じさせるだろうなって思って。


昨日のトラブルというのは、プロジェクトの関係で二階堂が起こしたものだった。

上司としては怒った…けど、建前でしかなかった。

俺が早く帰りたがってたのも知ってた二階堂が、青ざめた顔で謝ってくるから、1人の人間としては怒る気になんて全くなれなかった。

大丈夫だからと言って一緒に解決して、俺が他の仕事を残して出て行ったのも知ってる。


プロジェクトメンバーに二階堂選んだのは俺。

例えどんな私情があったって、一緒にこれから協力してくれる仲間の1人なんだから助け合うのは当たり前だし

失敗も経験して、後輩に成長してほしいって思うから。


2「ミツ先輩…」

「ほんと、気にすんな。ちょっとトイレ行ってくる」


ポンと二階堂の肩を叩いて席を外す。

フラフラするのがバレないように歩けているだろうか…。

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櫻弓 想(プロフ) - のこさん» はじめまして!コメント気づくの遅くてすみません🥲どきどき読んでいただきありがとうございます!!ご期待に添えるような作品になるよう頑張ります! (2022年5月15日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - もしかしてはじめましてかも。いつも楽しみにしています。次の展開にドキドキしてますが北山担としては北山くんが愛されてるのが嬉しいです。みんな幸せになりますように (2022年4月2日 7時) (レス) @page50 id: c027cef8fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年3月12日 21時

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