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いつもは起きたらミツは居ないけれど、昨日の今日だからさすがに一緒に起きた。
「ねぇ、例のプロジェクトってゆーの?」
K「あぁ」
「ニカも一緒?」
K「どうだろ。まだメンバー全員決まってなくて。
同じ部署だから入ってもおかしくないけど。なんで?」
「一緒だったら…ミツが忙しくても心強いなって」
K「昨日はほんとたまたまだから。タバコ気をつけときゃ大丈夫だろ」
そんなこと言うけれど、ミツは今辞めてるだけで喫煙者だし。
それなのに副流煙であそこまでやられるって、それだけ体弱ってるってことじゃんって思う。
K「なあ、たまのスマホめっちゃブーブー言ってるぞ」
「え?なんだこんな朝に」
2人分の目玉焼きを焼いているフライパンに蓋をして、リビングの机に画面を下に向けて置いていたスマホを手に取り、再びキッチンへ戻る。
「え…」
全て俺が動画投稿をしたアプリからの通知だった。コメントされただのいいねされただの通知が止まらない。
今までそんな再生されることがなかったわけだから、こんなに通知が来ることがなくてオフにしていなかったのだ。
「え、まって、え!みつ!!」
K「なに?どうしたの」
「俺ね!ゲーム実況の動画編集のコツこの前教えてもらって、頑張って新しく出してみたの!そしたら見て!めっちゃ再生されてる!!」
K「え、うそ…凄いじゃんたまあ!!」
眠そうにソファに座ってたミツが勢いよく立ち上がり、俺を抱きしめ頭を撫でてくる。
「収益いくら入るかな〜あー楽しみ」
K「んふふ。いっぱい欲しいもん買えよご褒美に」
「うん!」
ミツ。俺が欲しいものは、ミツが欲しいものだよ。
ミツへのご褒美を買いたいんだよ。
K「まって。焦げ臭くね?」
「あー!俺らの目玉焼きー!!」
真っ黒になった目玉焼きを見てミツと笑い合う。
動画の収益をミツへ使うのはまだ内緒。
「うー食パンだけで我慢するか…」
K「ふふ。いーよ、俺コンビニでなんか買って食うわ」
「え?パン食べたらいいじゃん」
K「んーなんかご飯の気分だから」
そう言うミツに、そっかと返して俺は真っ黒になった目玉焼きの処理を始める。
K「じゃ、行ってくる」
こげがひっついたフライパンと戦っていると、用意を完了したミツに声をかけられた。
「うん。体調気をつけてね」
K「たまもあんまやり込むなよ(笑)」
褒められると伸びるタイプの俺は、調子に乗ってやり込みそうだったから、その言葉に緩く返事をしてミツを見送った。
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櫻弓 想(プロフ) - のこさん» はじめまして!コメント気づくの遅くてすみません🥲どきどき読んでいただきありがとうございます!!ご期待に添えるような作品になるよう頑張ります! (2022年5月15日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - もしかしてはじめましてかも。いつも楽しみにしています。次の展開にドキドキしてますが北山担としては北山くんが愛されてるのが嬉しいです。みんな幸せになりますように (2022年4月2日 7時) (レス) @page50 id: c027cef8fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年3月12日 21時