12 ページ12
2「どうぞ?」
吸ってる銘柄が一緒の二階堂に一本タバコを渡されて、一応辞めといたほうがいい…という思いはあったものの、ムシャクシャしてるせいで受け取ってしまった。
ため息代わりにタバコを吸って吐くが、結局心は騒つくまま。
19時位までに帰る連絡をたまへしなかったら、今まで必ずメッセージをたまは寄越してきていた。
だけど昨日、ドタバタしてやっとスマホを開けられた21時すぎ。
通知がなくて青ざめた。食欲も湧かないほどに。
昨日つまんできたというのは嘘。
たまのご飯を買いに行った際、とても自分の分を何も買う気にならなかった。
「なー二階堂?昨日たまに俺が遅くなるとか何だとか話した?」
2「しましたよ?ゲーム開いたらすぐミツは〜?って聞かれました」
「そっか」
プレゼンの話を勝手に知っていたから、遅くなる話も二階堂から事前に聞いていたのか気になっていて…
それを二階堂に自然に聞きたかった。だったら、連絡を寄越さなくてもおかしくないから。
だから無理やり連れてこられたが、二階堂と2人になれる時間があって結果良かった。
たまに聞けばいい話なんだろうが、たまは基本面倒臭がりだから女々しいと思われるのは怖い。
2「なんかやばかったです?あ、嫉妬っすか?」
「ちげーよ。ばか」
たまは年に一度ほど、実家に帰ったついでに地元の友達とは会ってるみたいだが
普段は本当にゲームの中でしか人と関わりを持っていない。二階堂とは会うこともあるが、絶対その時は俺もいるし。
それが唯一の救いだった。もしここに嫉妬なんて重なれば、俺はもっともっと重くなっていただろう。
想像するだけで…恐ろしすぎる。
「ん…っ、げほっ!けほっけほっ!!」
2「え、大丈夫っすか?」
タバコを吸ってると、急にむせ返る感覚に襲われた。二階堂に平気という隙間もなくどんどん咳が出る。
あーやっぱり、吸うんじゃなかった。
「ん、悪い平気。ちょっとむせたわ(笑)」
2「もー見た目若いだけで、やっぱちゃんとおじさんっすね?」
「うっせーよ。もう戻るぞ」
憎いタバコを灰皿へ押し付ける。吸ったのは自分だけど。
2「ていうかプロジェクト!頑張ってくださいね。無理しないよーに」
「あー…さんきゅ」
無理はするだろう確実に。
でも降りてきた絶好のチャンスを逃すわけにはいかないし、任されたものは全力でやるものだ。
ただ、まだ忙しさはピークに来てなくてこの様子だと、思ってるよりプレッシャーなのかも。
330人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻弓 想(プロフ) - のこさん» はじめまして!コメント気づくの遅くてすみません🥲どきどき読んでいただきありがとうございます!!ご期待に添えるような作品になるよう頑張ります! (2022年5月15日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - もしかしてはじめましてかも。いつも楽しみにしています。次の展開にドキドキしてますが北山担としては北山くんが愛されてるのが嬉しいです。みんな幸せになりますように (2022年4月2日 7時) (レス) @page50 id: c027cef8fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2022年3月12日 21時