別の人の彼女になりました。��

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ヒュっと喉が鳴る


信じられない発言に、言葉を発せられない


音が遮断されたように、静寂に包まれる





「ごめっ...何言ってるかわかんない、」


深「だーかーらー、俺がお前のこと好きだって言ってんの」





少し恥ずかしそうに頭を搔く姿を見て、冗談じゃないんだ、と実感する


こんな照れた顔、知らないんだけど...





「頭ついてかない」


深「だよな」


「なんで今なの」


深「翔太にAとられたくないから」






翔太の名前を出され、言葉に詰まる


今この場面で、そのワードはずるい、ほんとに。






そうだよ、私には翔太がいるんじゃん。


けど、翔太は私が辰哉を好きだと知っていて、辰哉が私を好きだと知ったら、この関係はどうなる？


翔太だって、ただの女避けで付き合っているだけ。







深「Aは？俺のこと、単なる幼馴染にしか見えない？」





ずるいよ、ほんと


そういうずるいとこが大嫌いで、大好き


1度しまい込んだはずの想いは、辰哉の切ない目と声によって、蘇ろうとしていた








辰哉は私に一歩近づくと、黙って私を抱き締めた


辰哉に夢中になっていたあの頃の想いが、いとも簡単に胸中に広がる





「やめてっ、」


深「やだ」






やめて、と言うわりには、力の無い抵抗


辰哉はそれを分かっていて、抱き締める力を少しだけ強くした






深「A、俺んとこにきてよ」







抵抗していた腕がストンっと下に落ちる


前身の力が抜けるような感覚に陥り、ぐっと辰哉にもたれ掛かる


そんな私を彼は抱きとめた









「なにしてんの？」

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