チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ48)

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蓮side

蓮『えっ....』

「正確には今も好き、なんだけどな」と付け足した

岩本くんの突然の告白

驚きすぎて、思わず声が漏れる

こんなに長く一緒にいたのに気づかなかった

蓮『....全然、気づかなかったっす...』

岩『だろうな笑隠すの必死だったし』

ヘラッと笑う岩本くん

今思えば、思いたる節はなくもない。

けど、それは恋愛感情とかではなく、ただ大事な後輩、妹みたいな存在として扱っているものだと思ってた

岩『あいつがふっかを好きになり始めた時、まぁー、高３の時からずっと好きかな』

顔は笑ってるのに、辛さを隠せてないのは、きっと今まで苦しんできた過去があるから

片想いの辛さは俺も知ってるし...

きっとふっかさんを思い続けてるAをずっと近くで見て、相談に乗ってきた岩本くんは、俺よりもずっと苦しい思いをしてると思う

それを考えると、どんな思いでずっとAを想ってきたんだろうと、俺まで苦しくなる

蓮『苦しかった、すよね...』

岩『苦しかったよ』

当たり前だよな

答えなんて分かりきっているのに、わざわざ質問する俺は酷いやつだよな

岩『でもな、Aだって苦しんでたから』

蓮『....それは、ふっかさんのことですか？』

無言で、うん、と頷く

きっと親友ながらいろいろ思ったこともあっただろう

それでもずっと、Aの傍にも、ふっかさんの傍にもいた岩本くんに、心から感心した