チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ46)

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蓮side

『『かんぱーい』』

俺たちの間に流れる雰囲気には似つかわしくない言葉を、グラスをぶつけながら交わす

グラスの中の黄金の液体を喉に流し込むと、身体の中を冷たいものが通過するのが分かる

岩『この前さ、康二が会社に来たんだよ』

蓮『は！？康二が？』

突然、康二の話を吹きかけられ、唐揚げに伸ばしかけていた手を止める

それを見た岩本くんは、手で「どうぞ」と合図してきたから、躊躇なく、それを口に運んだ

岩『俺に話があったみたいで、メールくれたみたいなんだけど、俺見てなくてさ。そしたら、あいつわざわざ会社まで来たんだよ笑』

蓮『アホすぎる....』

アホすぎるくらい真っ直ぐなのが康二の良いところ

それにしても、康二が岩本くんの会社に行くくらい大事な話とは、なんなんだろうか

岩『んで、その後、俺とふっかと、康二、あと、翔太....って渡辺な？とで、居酒屋行ったんだよ』

蓮『なんすか、そのカオスなメンツ』

岩『康二が声掛けたのがたまたま翔太でさ、俺とふっかは元々飲みに行く予定だった』

康二の偶然さに改めて驚かされる

あいつやっぱ持ってんな。

けどきっと、そんなカオスなメンツで話題になったのは、俺の話だろう

俺というか、俺とAの話

だから岩本くんは、俺を呼んだんだ

けど、その場に康二がいるのが謎すぎる

蓮『んで？そのカオスなメンツでなんの話をしたんですか？』

俺は回りくどいのが嫌いだし、あれこれ考えるのが苦手だから、ストレートに聞くことしかできない