チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ44)

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岩「じゃあ、また会社でな」

「うん、ほんとごめんね！ありがと！」

開けていた車の窓を閉め、ガラス越しのひかるくんに手を振る

そして、車は発進した

後部座席に蓮、助手席に私、運転席に翔太と、なんともカオスな状態

蓮「ねー、なんでAも後ろじゃないのー？」

渡「お前がデカいから、Aが狭いだろ」

蓮「うわ、渡辺さんって口悪いっすよねー」

お互い悪態つきながらも、いつの間にかこんなに話すようになったんだろうか

不思議でたまらない

「なんか、二人、よく喋るね」

渡「仲良くはないからな」

蓮「それは、こっちのセリフっすね」

少し酔いが覚めたのか、普通に喋る蓮

寝ずに起きててくれたらいいんだけどね。

さすがにあんなデカイ奴運ぶのはキツすぎる

翔太に運んでもらうとしても、蓮の方が体が大きいから厳しいだろう

それに翔太、筋力無さそうだし...

「ねぇ、なんで今日そんなに飲んだの？」

後ろを向くと、股を大きく開き、ドアに寄りかかる蓮の姿が視界に入る

目だけをこちらに向けると、ふっ、と笑う

蓮「内緒。男同士の話」

渡「じゃあ、男の俺は、聞いていいの？」

いや、なんでそうなる？

そもそも二人同士の秘密ってことでしょうが

翔太の答えに呆れながら、後ろに向けていた体を前に向ける

「そういうことじゃなくない？笑」

蓮「そういうことじゃないっすね。でも、渡辺さんは聞くべき話かもしれません」

渡「え、まじ？めっちゃ気になるんだけど」

「なんで！？なんで私には内緒で、翔太には言えるの！？」

私だけ仲間外れにされた気分だ

いいし、知らなくても。

あとで、ひかるくんに聞いてやる