チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ42)

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思いもよらぬ、突然の告白に、戸惑う

あの時ってだいぶ前じゃん。

てことは、私たちが仲良くなる前から、ってこと？

渡「何度目か分かんねぇアピールに、動揺すんなよ、お嬢さん」

ニヤリとした表情をこちらを向ける

いつの間にか青信号になったのか、車を発進させ、また運転を再開した

「....そんな前から、だったんだ...」

渡「びっくりした？だから、新年会の後から仲良くなれて、めちゃくちゃ嬉しかったもん」

さっきまでは大人の男性の表情だったのに、今は男の子の表情をしている

コロコロ変わる表情に、こっちも心情の変化が尽きない

渡「こんなに距離縮められたのに、今更諦めるとか、俺しないからね？」

冗談ともとれる口調だけど、真っ直ぐ前を見るめが真剣だ

そこから、翔太の本気さが伝わってきて、少し恥ずかしくなる

でも、もう私には、蓮がいる

蓮が自立するまでは、私が守らなければいけない

それまで待ってもらうなんてことはできない

「でもね、「待ってるから」

渡「それでも待ってるから」

待つったって、いつになるか分からないのに

そんなことを頭では思うけれど、内心は嬉しかった

こんなにも想われているんだ、と実感できたから

渡「ほら、着いたぞ」

いつの間にか、窓からは見慣れた居酒屋があって、視線の少し先に、ひかるくんにもたれる蓮の姿があった

「無理だよ....待つなんて......」

そんな呟きは、既に車から降りていた翔太には聞こえていなかったけど。