チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ41)

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なんだそれ。私に何を答えさせようとしてんのか

え、クイズ？

答えは、寝ながらやったでもなく、夢の話でもない

何が正解か導き出そうと考えているとき、

渡「お前だよ」

そう言われた

なにが"お前"なんだろうか

ますます分からなくなる

渡「あの時、あの資料作ってくれたの、お前なの！」

「うそっ！？」

私が覚えていないことに、またため息をつく

必死に記憶を蘇らせ、いろんなデータを引っ張り出す

「あっ.....」

渡「思い出しましたか？」

多分、私が忘れ物を取りに行ったとき、オフィスで寝ていた同期の男がいた

しかも、やりかけの仕事を残したまま

でもその同期、当時疲れが顔から滲み出ていたので、仕方なくやってあげた、という善人っぽい行い

「たしかに、あれ翔太だったわ」

渡「そう。俺。あの時、お前何も言わないで帰ろうとしてんの。だから宮舘とAの会話聞かなかったら、誰があの資料作ったのかわかんないままだった」

「いやぁ、なんか自分から言うのもなんかね」

渡「あの時もそう言ってたよ」

丁度赤信号に差し掛かり、優しく車が停止する

運転をやめた翔太は私の方を向いて言った

渡「あの時から、俺はお前のこと、好きだったよ」