チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ33)

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営業部へ行くと、まぁまぁの人が忙しなく動いていた

一番声をかけやすい人物を見つけ、声をかける

「涼太くん」

涼「あれ、Aちゃん。珍しいね、営業部に来るなんて」

「うん。先輩にこれ持ってけって頼まれちゃって」

持っていた資料を、涼太くんに預ける

それを受け取ると、「ありがとう」と品のある笑顔を見せた

「じゃあ、お願いします」

そう言って立ち去ろうとすると、「A？」と声を掛けられる

「あっ......ふっか、」

資料室でのことがあってから、だいぶ気まずい

涼「じゃあ、俺仕事あるから」

ササッと立ち去る涼太くん

空気が読めるのか読めないのか。

この時ばかりは、どうやらふっかの味方についたらしい

深「珍しいな、営業部来るなんて」

「それ、涼太くんにも言われた。先輩に資料持ってけって頼まれちゃって」

ふーん、と興味なさそうな返事

この気まずい雰囲気に耐えられず、じゃあ、と言って立ち去ろうとすると、

深「あ、待って、」

ふっかに背を向けた瞬間、手首を掴まれる

驚いて後ろを振り返ると、本人も無意識に出た行動なのか、あっ、と掴んだ手を見つめていた

深「わりぃ....俺も企画部に用あるから、一緒に行く」

あぁ、そういうことね

ならそんな、腕掴まなくてもいいのに、とか思ったけど、その言葉を喉元で止める