チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ25)

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康二side

自分の気持ちを封印すると決めてからだいぶ経ったあと、めめと二人で街中を歩いとったら、Aちゃんと見知らぬ男性二人が一緒にいるところを見た

それが、照兄とふっかさんやった

深『あれ？目黒じゃね？』

『ほんとだ。康二くんもいる！』

自分の恋心を自覚したからか、いつもみたいにAちゃんの目を見れない自分がいる

若干そわそわしているのが、自分でもわかる

深『こうじ？隣の子？』

『うん！蓮の友達で、面白くて良い子だよ』

Aちゃんがいて緊張してる上に、人見知りが発動して、余計にそわそわする

すると、ずっと黙っていた厳つい顔をした人と目が合う

やべぇ。俺殺されるんちゃう？

康『なぁ、めめっ。あの厳つい人、めっちゃ俺のこと見てくるんやけど、なに？』

コソッとめめに耳打ちすると、めめはクスッと笑う

蓮『岩本くん！こいつが、岩本くんの顔怖いって言ってまーす！』

康『ちょ、めめ何言うとんねん！すみません、ちょっとこわいなって、いや、....ほんますんません』

喋れば喋るほど、ボロしか出てこおへん

明るいのが取り柄なのに、こんな情けないとこ見せたら、Aちゃんにかっこ悪いわ....

岩『ふはっ！！お前、めっちゃ面白いな！笑』

さっきまでの表情とは打って変わって、目を細めてにっこり笑う顔に、怖さは感じなかった

なんや、この人こんな顔するんか

そう思った俺は、途端に人見知りフィルターが外れ、ずっと心が軽くなった気がした

深『Aの言った通り、こいつ良い奴だな』

『でしょ～？可愛くて仕方ないの笑』

蓮『ねぇ、俺は？』

深『目黒もかわいいぞぉ～』

少し離れた所で会話する三人を見て、仲良いな～なんて思う

ただ、一つ勘づいたことがある

Aちゃんと隣いる男性の雰囲気が妙なこと

Aちゃんのその人を見る目がとても優しくて嬉しそうで、切ない

すぐに分かってしまった

Aちゃんの好きな人は、あの人なんだって。