チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ23)

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169 岩本side ページ23

岩本side

康｢けど俺、めめのことずっと見てきたから、簡単にAちゃんのこと諦めな、なんて言えなくて...｣

悩んでいる康二を見て、目黒のこと大事に思ってんだなっていうのが伝わってくる

康二もこの状況に対してどうするべきなのか、分からないんだ

だから、こうして俺たちに頼ってきたんだ

渡｢でも今の話聞くと、目黒だって自分の間違いに気づいてるんすよね？そしたら、目黒を説得するしかなくないすか？｣

深｢だよな....。けど、どうやって？｣

そこなんだよな。

説得するための内容が大事だ

目黒になんて言えば、ヤツの心は動くのだろうか

康｢こんなん本人の前で言うのもあれなんですけど....。ふっかさんと翔太くんでは無理やと思うんですよ｣

遠慮がちに言うも、康二からは珍しくも厳しい声

当の二人も、少し驚いてる

康｢やって、Aちゃんのこと傷付けた二人がめめのこと説得しても、説得力ないやん｣

ド正論に二人も、何も言えないようだ

仲良いのか悪いのか、二人揃って下を俯く

康｢それにな、めめ、照兄の言うことは聞くと思うねん。照兄は、きっとAちゃんの辛いところを誰よりも見てきたと思うから｣

康二から向けられる真っ直ぐな目が、真剣さを物語っている

普段はおふざけしている康二が、こうして俺にお願いしてくるのは珍しい

だから、俺もそれに答えてやりたいと思った

岩｢わかった。やってみるよ｣

康｢てるにぃ！！さすが、同盟組んだ仲やぁ！｣

渡｢え、同盟ってなんのすか？｣

康｢それは内緒やで～｣

深｢えー！なにそれ......俺知らない｣

岩｢ふはっ笑これは俺と康二の秘密だもんな？｣

康二と二人、顔を見合わせる

いつか、康二と二人で話したとき、

康『俺ら、報われない同盟やんな』

と言われた。

康二も俺も、似たもの同士＿＿＿＿＿