チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ21)

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岩本side

康｢それでは、初メンの親睦会を祝って、カンパーイ！｣

目の前で一人、高々とジョッキを上げる康二に、俺ら三人は低い位置で乾杯する

それに対し、康二は一瞬不満げな顔をするが、すぐに元に戻り、中身を喉に流し込んだ

てゆか、なんで親睦会してんだよ、俺らは。

目的はそれじゃないのに

康二に｢どうした？｣と電話で聞いた時、｢めめとAちゃんのことで話がある｣と言われた

ちょうどふっかもいたし、康二が声掛けたのが翔太だったため、この際だから一緒に康二の話を聞こうと思った

だから俺は康二に、｢お前が声掛けた奴のこと、適当に誘っといて｣と言った

どんな誘い方をしたのか分からないが、まぁ人懐っこい康二だし、翔太もAのことだと察してついてくるだろうと思った

案の定、こうやって謎の四人が集まっている

深｢こーじ、久しぶりだな｣

康｢ふっかさん、なんやまたイケメンになったんちゃう？｣

岩｢康二、こいつ調子乗るからやめな｣

康｢それはアカンな。けど、翔太くん、めっちゃイケメンやない！？｣

渡｢いや、そんなことないっすよ笑｣

康二のお膳立てに、満更でもない顔をする翔太

いつの間に、名前で呼ばれてんのかよ笑

一方隣にいるふっかは、拗ねてる様子

康二なんて、早速｢連絡先交換してください！｣なんて言ってるし、翔太も康二の押しに弱いのか、おずおずとスマホを取り出した

これじゃあ、ほんとに親睦会じゃねぇかよ。

俺は早く本題に行きたくて仕方がない

目黒もAのとこも大好きな康二のことだから、何か相談があって来たんだろう

岩｢康二、仲良くなんのは後でいいから、早く本題に入れ｣

翔太に顔を向けながらスマホを持っている康二に、話しかけた

すると、今度は俺らの方に体を向け、｢そない焦らんでよ｣とボソッと口にした