1番になりきれない女。3

122 渡辺side ページ24

渡辺side

渡「A的にはどうすんの、ってどうしたいの？」








いやまじ俺こそ、こんな恋愛相談みたいなことしてどうすんの、って逆に聞きたいぐらい。


他人恋愛事情なんか興味ないだろ、俺。










「それはまだわかんないけど...」


渡「けど？」


「たまによ、たまに！たんまぁに、可愛く見えちゃうんだよね...」


渡「なにが？」


「....ふ、ふかざわ？？」










少しだけ照れくさそうに喋るA


胸がざわついて、モヤッとする











やめろ。


俺はもう、こいつのこと振ってんだよ。


今更、特別な感情は持っちゃいけない。













渡「へー、ふっかか」


「別に好きとかまだ分かんないけど、ギャップって言うの？いつも大人ぶってんのに、たまに素直なとことか見ていいなぁって」











多分こいつはふっかを好きになりかけてる


目を泳がせて、少しだけ顔を赤らめている様子から、そんな風に捉える










俺に今、彼女がいなければ...。


そんなことを考えている時点で終わってる








足立のことが嫌いなわけじゃない。


ただ、以前付き合っていた時みたいな感情が沸いてこないのは確かだ。


可愛い、とか思う時もあるけど、それはあくまでも客観的意見で、俺の意思で思っているかどうかは正直分からない。











渡「なんか...いいなあ、」












無意識に口から出た言葉は、聞こえたか否かの声量


ハッとして思わず口を塞いでも、目の前の女には聞こえてない



















ふっかも、目黒も、...羨ましい。

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