チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ44)

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深澤side

病室に戻ると、Aは既に眠っていた

これ以上、お邪魔しても無理させるだけだと思い、俺たちは病院を後にした

照が車で来ていたみたいで、俺を助手席に、残り三人を後ろに乗せてくれた

岩「なぁ、心労って言ってたけど、お前ら何か知らないか？」

照がルームミラー越しに、三人に問いかける

香「分からないんですよね。けど、めめくんがいないから家事もやらなきゃいけなくて忙しいみたいなこと言ってたけど...」

岩「うーん、関係ありそうな、なさそうな」

渡「あの、めめくんって誰？」

あれ、目黒のこと知らないっけ？

涼「目黒蓮。Aちゃんと一緒に住んでる人だよ」

渡「あー、あのイケメンの弟か」

たしかにイケメンだ。モデルかってくらいスタイルもいい。

なのに、彼女がいないのが謎すぎる

目黒は何かと謎が多い男だ

涼「目黒は過保護だからね～。毎回飲み会の時、迎えに来てさ」

香「Aにゾッコンだよね、ほんと」

渡「けど、お前ら三人で飲んでた時、俺のこと呼んだよね？Aがすっげぇ酔ってた時」

深・岩「は？」

照と声がハモリ、思わず顔を見合わせる

照は運転中だから、すぐに前を向いたけど、俺は固まったまま動けない

酔ったAを渡辺が家まで送った、と。

岩「翔太。お前、なんもしてねぇよな？」

照のいつもより低い声が車内の空気に突き刺さる

あー、とどもる渡辺の声が聞こえ、益々不安が広がる