チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ43)

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涼太side

あまりAちゃんの負担になるといけないという計らいから、ふっかが廊下へ俺たちを連れていく

部屋を出た後、神妙な面持ちになるふっかに不安が込み上げる

渡「....Aはなんで、倒れたんですか、」

深「倒れたのは、軽い栄養失調による貧血症状。けど、急性胃炎と心労も、だって」

思ったより抱えるものが多すぎて、三人とも驚いて声が出ない

心労ってことは、その原因は翔太なんだろうか？

香「私、なんにもできなかった.....」

深「香織ちゃんだけじゃない。俺も照も何もしてあげられなかった。だから自分を責めないで」

落ち込む香織の肩を片手で抱え、さする

翔太を見ると、未だに唖然としていた

涼「けど、なんでふっかが病院に連れてきたの？」

深「俺が資料室行ったら倒れてた。あん時俺行ってなかったらって思ったら、」

手に膝をつき屈んだ姿勢で、俯くふっか

珍しく彼も弱りきっている

その姿や垣間見える表情から、Aちゃんを大事にしてることが凄く伝わってくる

涼「ふっかが見つけてくれてよかったよ。ありがとう」

この言葉が少しでもふっかの元気づけになってほしい

俺はAちゃんの変化に気づいていながら、何もしてあげられなかった

香織にとっても、俺にとっても、そして翔太にとっても大事な人なのに

深「あんま長くなると変に思われるから、戻るぞ」

どこまでも周りが見えているふっかに頭が上がらない

けど、ベッドに横たわるAちゃんは既に眠ってしまっていた