チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ41)

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深｢ねぇ、さっきからスマホめっちゃ鳴ってるんだけど｣

｢うそっ、私の？｣

ふっかが差し出した私のスマホには、着信だのメッセージだのたくさん来ていた

香『大丈夫！？』

香『どうなったの！？』

1件の着信

香『なんでもいいから、連絡して。安否求む』

やばっ、気づかなかった

『なんとか生きてる。けど、2、3日入院します』

直ぐに既読がつく

香『はぁ！？あ、いや、詳しいのことは後で聞く』

香『着替えとかは？めめくんいないでしょ？』

『後でお金払うから、下着だけ買ってきてちょうだい。やっすいのでいい』

香『了解』

久々にスマホの画面を見て一気に打ったから、具合悪くなってきた

一旦スマホを持ったまま、ベッドに腕を放り投げる

深｢誰だった？｣

岩｢香織ちゃんでしょ｣

｢うわ、ビンゴ｣

岩｢だと思った。だってAが倒れたって聞いたとき、真っ先に香織ちゃんと翔太が俺のとこに来たから｣

後者の名前に、少しだけビクッとなる

ﾋﾟｺﾝｯﾋﾟｺﾝｯﾋﾟｺﾝｯﾋﾟｺﾝｯ

手中にあるスマホが何通もの知らせを伝える

けど、生憎先程の早打ちのおかげで今スマホを見る気力がない

岩｢めっちゃ鳴ってんじゃん｣

｢ごめん、今見る気力ないや。さっきので消耗した｣

香織とのトークを開く時、見えてしまった"しょうた"の文字

何となくさっきの通知が翔太な気がして、見る勇気が出なかった