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53 渡辺side ページ5
渡辺side
え、ここで寝る！？この状況で！
体を揺すっても起きない彼女をどうしようかと考えた結果、背負うしかなかった
なるべく起こさないようにと、慎重に自分の背中へ持っていく
無意識なのか、俺の首にはしっかり腕を巻き付けてきたので、助かった
公園を出て、Aの家までゆっくり歩く
背中へと直に伝わる温もりに、ドキドキする
彼女とこんなに密着するのは初めてで、背中や手に伝わる柔らかい感触に、余計な雑念が増える
渡｢けっこう、破壊力あんのな、、、｣
いくらサバサバしていても、身体の女らしさは隠せていない
心底、俺が迎えに来て良かったと思った
いくら涼太でも、これは背負わせたくない
時折、んーと寝ぼけた甘い声が耳元に響き、更に俺の心拍に拍車をかける
女経験が無いわけじゃないのに、初めての感覚かのように思える
待てよ。こんな状態のAを家に置いといて大丈夫なのか？
いくら弟とはいえ、血の繋がりのない男のいる所に送り込んでも大丈夫なのか、と別な悩み事が発生
いや、でもさすがに、弟だしな
そんな悩みを他所に、当の本人はスヤスヤと俺の背中で眠っている
時折、聞こえてくる"ふっか"という呟きに、俺は聞かないフリをした
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作者名：たまっち
| 作成日時：2021年2月20日 1時
