チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ37)

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深澤side

先｢顔色が悪いから、貧血かな～。何だか前見た時よりも、少し頬が痩けた気がする。軽い栄養失調も考えられそうね｣

たしかに、この前の昼も全然食べてなかった

倒れるくらい、何をそんな無理してたんだよ

先｢念の為、病院に連れて行った方がいいかもしれないわね｣

深｢俺が、このまま連れていきます！｣

今日は特に重大な仕事もないし、営業先に行く予定もない

何よりも、目の前で眠るAが心配で仕方ない

俺が傍に居てあげたいんだ

先｢ふふっ、分かったわ。そしたら、私企画部に電話してくるから、目が覚めたら呼んでちょうだい｣

深｢はい....ありがとうございました！｣

先｢いえいえ。深澤くんもありがとうね。工藤さんのことになると、深澤くんでもそんな顔するのね？｣

先生の言葉にハッとして、我に返る

先生は笑いながら、カーテンを閉めて出ていってしまった

Aのことになると、俺は平静でいられなくなる

今回でよく分かった

ベッドに横たわるAの頭を撫でた後、そのまま頬をなぞる

時折、苦しそうに顔を歪め、布団をを握る手に力が入る

そんな彼女の手を、俺は優しく包み込んだ

深｢...あ、照に、伝えなきゃ｣

スマホを取りだし、仕事中であろう照のスマホに電話をかける

案の定、慌てた様子で電話に出たが、すぐ冷静になって話を聞いてくれる

照は、近くにいた自分が気づけなかったのが悪いと言っていたけど、俺もAの顔色が悪いと気づいていながら何も出来なかったことが悔しい

照との電話を終えた後、なぜAの体調が悪かったのか原因を考えた

けど、Aのことを何も知らない俺は、そんなの全然分からなくて、結局俺には何の力もないんだと思い知らされた