80 渡辺side ページ32
渡辺side
最近、営業部の山田って子が、俺のとこによく来る
毎回俺の好物のお菓子を持ってきてくれるもんだから、ついつい嬉しくなって喜んでしまう
山｢翔太くん、はい、これ｣
今日もまた、色とりどりのグミが入ったお菓子を持って俺の所へきた
渡｢おっ、これ、俺が探してたやつじゃん！｣
山｢ほんと！？｣
嬉しい〜なんて言って喜ぶ山田は、妹のようだ
俺の妹とは全然ちげぇ、、、
山｢んで、翔太くんは、工藤さんとどうなの？｣
山田は俺がAのことを好きだって知っている
仲良くなってすぐ、｢好きなんでしょ？｣と見抜かれた
渡｢なんか、最近、避けられてるっぽい｣
ここ最近、なぜだかAに避けられている気がする
原因が分からないから、俺自身もどうしたらいいか分からない
さっきもさりげなく、飯に誘ったんだけど、断られてしまった
山｢う〜ん....もしかしたら、私かな？｣
渡｢え？なんで？｣
山｢私と翔太くんの仲に嫉妬してるんじゃない？....ほら、この前のお昼だって、私と翔太くんが来たら、工藤さんすぐに席立っちゃうし、、、｣
たしかに。それはあるかもしれない。
もしそうだとしたら、Aがヤキモチ妬いてくれてるってこと？
確信したわけじゃないのに、嬉しくて、ついつい顔が緩んでしまう
山｢翔太くん、頑張ってね｣
渡｢おう。ありがと。｣
俺の応援をしてくれる山田は"良い奴"だ
そう認識していた。今の俺は。
俺は単純だ
ただ、この単純さが仇になるなんて、思ってもみなかった
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作者名：たまっち
| 作成日時：2021年2月20日 1時
