チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ4)

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渡辺side

なんてね、と呟いて、またアイスを食べ始めるAの手を掴んだ

それに驚いたのか、彼女は俺を見た

渡｢あたりめぇじゃん。内心ドキドキしすぎてやばい｣

関節キスだけで、盛り上がってる中学生みたいな思考回路してんだよ、俺は

｢よかった、、、。わたしだけじゃなかった｣

俺の言葉に彼女はどこかホッとしたように話す

俺は深澤さんとは違って、些細なことでもお前にドキドキするよ

そんな切ない顔して、アイス食うなよ

苦しい感情を押し込むように、アイスを頬張る

完食間近のそれを、俺はAの手から抜き取る

｢ねー、まだコーン残ってる｣

名残惜しそうに、俺の手元にある残りのコーンを見ながら、不貞腐れた感じに口をとがらす

渡｢ふはっ、また口に付いてるよ｣

そう言って、彼女の冷たい頬に手を添えながら、彼女の冷え切った唇を自分の唇で覆った

抹茶の風味が口に広がり、その甘さが俺の脳を支配した

ちゅっとリップ音を鳴らしながら、唇を離すと、彼女は顔を真っ赤にして、俺から視線を逸らした

渡｢照れてんの？かわいいね｣

ベンチの上で体育座りをし、顔を隠すように膝に顔を埋めた

俺はそれを横目で見ながら、自分の残りのアイスを食べ始めた

口の中はバニラとチョコを感じているのに、頭の中はさっきの抹茶でいっぱいだ

いつまでも顔を上げない彼女を見て、どんだけ照れたんだよと心の中で思う

渡｢おーい、俺アイス食い終わったんだけど。そろそろ顔上げてくんね？｣

そう話しかけるけど、応答はなく、代わりに彼女の寝息が聞こえてきた