チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ20)

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香「涼太～、営業部に山田っているじゃん？どんな人？」

日替わりランチのパスタをつつきながら、前の席の香織が隣にいる涼太くんに話しかける

涼「仕事もそこそこできる人かな。ただ、ちょっと腹黒そうだけどね」

やっぱり涼太くんは、あの幼馴染と違って見る目があるよ

香「へ～。なんか最近昼に来て、渡辺に話しかけにきてんのよ。しかも毎回」

涼「え、そうなの？あの子、前までふっかが遊んでた子の一人だったけど」

「ふっかの次は、翔太なのね笑」

悩みの原因が話に出てきたため、目の前のご飯が全然進まない

あえて胃にも優しい、うどんにしたのに

涼「....Aちゃん、大丈夫？....全然食べてないよ？」

「ここ最近、食欲無くて。おかげで痩せれるよ笑」

香「それ以上痩せたら、骨になるよ？」

前に座る二人の心配そうな目が、嬉しいけど苦しい

相談したいけど、内容が内容だから、相談しようにもできない

それに、山田さんのことを香織に言ったら、香織は本人に面と向かってキレそうだ笑

キリキリと痛む胃を隠すように、うどんを口に入れる

普段ならもっと威勢よく食べるけど、今はそんなことできない

涼「食欲ない原因.....翔太、だったりする？」

涼太くんの真っ直ぐな瞳が、私に突き刺さる

涼太くんは全てを見透かしそうで怖い

彼には嘘が通用しない気がして

視線が痛くて、下を向く。視界に入るのは、まだ1/3も食べていないうどん。

何も答えられずにいると、「A」と呼ぶ声がした