チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ13)

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渡「いや、俺引いたとか一言も言ってないし、現に俺からキスしてんのに、引くも何もないでしょ」

あ、キスか

たしかにドン引きした相手にキスはしないか

ということは、私は翔太に嫌われてはいないということなのかな、、、、？

渡「.......えっ、キスしたの覚えてない、とか？」

「いや、それは覚えてますとも！」

渡「それなら普通に考えて、俺がAのこと引いたっていう考えにならないよね？」

「.....そこまで、思考回路が回りませんでした。」

キスしたのは覚えてたけど、自分の醜態を晒したことに気を囚われすぎて、勝手に嫌われたとか、呆れられた、引かれた、なんて思っていた

安堵で、またまぁまぁでっかいため息をつく

渡「あっぶなー。変なとこですれ違うとこだったわ、、、。お前、ネガティブ入ると、周りのこと見えなくなるよな」

口を手で覆い隠し、焦った表情でこちらをちらりと見る

交わった視線に少し胸が高鳴る

「だって、ほんとに嫌われたと思って、」

渡「ふーん。俺に嫌われてないって分かって安心したんだ」

ニヤニヤと笑う翔太が視界に入った

こっちは、まぁまぁ悩んで、寝れなかったのに。

安心したからか、どっと疲れが出たような気がした

「はぁ～。今日はもう疲れた。帰っていい？」

渡「ぐはっ！ダメだよ！.....俺が寂しいじゃん？」

顔を真っ赤にして、チラチラこっちを見ながら反応を伺う

そんな照れるなら、言わなきゃいいのに笑

自分でも感じるくらい甘くて、小っ恥ずかしい雰囲気の中、それを遮る声が現れる

深「A」