チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ11)

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岩「おう、翔太。おはよう」

「お、おはよ、、、、」

突然現れた人物は、まさしく私が今頭を悩ませている人間である

いっつも急すぎて困るんだけど

渡「A、おはよ。朝から二人で何してんすか」

未だに私の頭に置かれているファイルを見て、彼は尋ねる

岩「なんかでっけぇため息ついてたから、ファイルで慰めてる」

渡「なに？A、なんか嫌なことでもあったの？」

嫌なことではないけど、原因は紛れもなく君だよ。なんて、言えません。

現れるタイミングが悪すぎる

ここであれについて、謝る訳にもいかないし

「いや、何もない。仕事忙しいなーって？」

焦りすぎて、疑問形になってるし。けど仕事忙しいのは嘘ではないからギリセーフ

岩「まぁ、ここ最近新しい企画とかで忙しくなってるしな」

ちゃんと休めよ、と言ってひかるくんは行ってしまった

行かないで、なんて言えるはずもなく、大きい背中を名残惜しそうに見つめる

渡「岩本さんのこと、そんなに見つめられると、妬けるんだけど」

「はっ！？いや、見つめてないから！」

ジトッとした目でこっちを見てくる彼

そんな彼に、適当な愛想笑いを振り撒いておく

渡「まだ始業前だから、給湯室来て」

なんだか嫌な予感しかしないのは、私だけでしょうか？