チグリジアⅡ ー愛して、助けてー (ページ2)

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渡辺side

公園のベンチに座り、二人並んでアイスを食べる

冬なのに外でアイスを食べるなんて、普通の俺じゃ考えられない

だけど、今の俺は普通じゃない

Aの要望なら、普通じゃなくてもやるんだ

隣を見れば、ニコニコ笑いながらアイスを頬張っている

口の周りに抹茶のアイスが所々に付いている

渡｢A、口の周りについてる｣

こっちを向いた彼女の口周りのアイスを指で拭って、自分の口に持っていくと、抹茶の風味が口に広がる

彼女はアイスを食べていた動作を止め、俯く

待って、俺なんかやらかした、、、？

俯く彼女を見ながら、脳を必死で動かす

｢ねぇ、、、。しょーたは、なんでわたしのカレー指でふいたの？｣

ボソッと聞こえてきた声に、耳を傾ける

カレー？なんのことだ？

｢ふっかとかいた時の社食で、どーして口のまわり、ぐいーってしたの？｣

あー。思い出した。俺がAの深澤さんへの好意を知った時だ

どうしてなんて言われても、Aの意識をこっちに向けたかったなんて言えない

渡｢だって、口にカレー付いてたから｣

付いてなかったけど、今はこれしかない

けど彼女の口からは思いがけない言葉が出てきた

｢でも、ひかるくんは、口にカレーついてなかったよって言ってたよ｣

岩本さん、余計なこと言わないでよ

付いてないのに口を拭って、それ舐めるとか、俺だいぶヤバいやつだと思われちゃうじゃん

なんて言おうか考えていると、ずっと俯いていたAがゆっくりと顔を上げ、俺を見る

その潤んだ瞳に、嘘をついていた罪悪感が生まれる

渡｢Aの気を引きたくて、カレー付いてるフリしたって言ったらどうする？｣