ペットにしてください。２

93 ページ45

「なに、急に！隣にいるんだから、叫ばないでよ」





耳を抑えれば、途端にシュンっとなって、ごめん、と呟く


テンションの高低差が激しくて、なんか精神削られる









深「ねぇ、まだわかんない？」


「だから、なにが！」


深「誤解されたくなかったの！」


「だから、なにを！？」


深「俺と元カノのこと！」


「だから、なんで！！」









深「お前のこと好きだからだよ！」









勢い任せに出された言葉は、衝撃的なもので。


開いた口が塞がらない、とのことはこのこと。









深「....なんて顔してんだよ、...つかなんか言えよ」







隣から、恥ずかしそうに睨んでくるけど、状況を掴めない








「だって、え、？むりむりむりむり」







たつやくんが、私のこと好き？


そんな、むりむりむりむり。









そんな私の返答に、彼もキョトン顔






深「...へ？っと、むり、とは....」


「あっ、ちがくて、...だってたつやくん、私のこと妹みたいだって！」


深「いやそれは言葉のあやっていうか、予防線っていうか、...まぁ虚言だったってことで...」









たしかに、私のこと好きなんじゃないか、って錯覚する場面はいくつもあった


優しい顔は向けられるし、バックハグはされるし、ベタベタされるし。









深「俺さ、Aのこと、好きなの」


「うん」


深「なぁんなの、その顔」


「だって、現実味が、」








"ないんだもん"





そう言おうとしたのに言えなかったのは、









たつやくんに唇を塞がれたからで。









ゆっくりと離されれば、少し色気づいた目と視線が交わる









深「キスとか、妹になんかするかよ」









そう言って、再び口付けられる

94→←92

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す