チグリジアー愛して、助けてー (ページ10)

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渡辺side

だから、あの新年会の日、偶然にも、涼太が工藤を送ってくやれと言ってくれた時は、最高に嬉しかった

これで工藤との距離が縮まるんじゃないかって思った

けど当の本人は、涼太とはわりと親しいのに、俺のことはあまり興味無い感じだったのが少しショックだったけど笑

そして宮舘からの爆弾発言

工藤のタイプが俺？え？ガチで？

なんて、元々舞い上がっていた気持ちが更にボルテージを上げる

顔でも何でも、タイプなら嬉しい

顔だけタイプなんですーなんて、軽々しく言えない工藤の優しさに、俺の心は掴まれる

美人なのにサバサバした性格や話も面白いギャップに、どんどん嵌っていく

ただ、どこか

上の空だったり、考え事したり、そんな素振りも垣間見える場面がちらほら

なぁ、なんでそんな悲しい顔すんだよ

誰がそんな悲しい顔させてる？

我慢しないで、俺に泣きつけばいいじゃん

そんな疑問と欲望が、彼女を見る度に沸いてくる

恋人はいないってのは涼太から元々聞いていたから、きっと好きな人がいるんだろう

渡『あのさ。なんかさっきからたまに、考え事っつーか、悲しい顔みたいなのしてっけど、なんかあんの？』

そう聞けば、肯定の意を示すように黙る彼女

なぜだかそれ以上は聞いてはいけない気がして

ちがう＿＿＿＿＿

自分が傷つくのが怖くて

結局、"同期"っていう言葉に逃げて、彼女に近づこうとするんだ

なぁ、A

なんでもいいから、俺に振り向いてよ

気になる、なんて嘘だ

確実に"好き"なくせに