チグリジアー愛して、助けてー (ページ8)

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渡辺side

渡『あのー、これ作ったか分かります？』

何度かこの言葉をいろんな人に投げかけるも、渡辺が作ったんだろ、いや俺じゃない、私じゃないの返答ばかり

案外すぐ見つかると思ったのに、、、

部長からも、

岩『今回の資料、よく出来たやつだな～。ほんとにお前が作ったのか？笑』

なんて言われるくらいだった

お礼を言いたいのに、いろんな人に聞いて歩くのにも疲れてしまった

だから、コーヒーの1杯でも飲んで一息つこうかとか給湯室へ向かった

入ろうとしたけど、先約がいたからピタッと動きが止まる

何やら女子社員二人の後ろ姿が見える

『ふわぁ』

『でっかいあくびねー。何？寝不足？まさか残業でもしてたの？』

『あー、なんか昨日オフィスに忘れ物して取りに戻ったら、やりかけの仕事があったから代わりにやったげた』

『代わりって、自分のじゃないのね。誰のやつ？』

『たしか渡辺のデスクだったかな。なんか本人疲れてソファーで寝てたからやっといた』

入口の壁に身体を隠しながら、チラッと中を覗くと、宮舘と、彼女と仲のいい工藤が見えた

声からして、俺の仕事を代わりにやってくれたのは工藤の方だろう

『はっ、渡辺、仕事ほったらかして寝てたの！？有り得ないわ～。涼太に言っとこ』

うわ、ごもっともすぎて、何も言えねぇ

『いやいや、何で涼太くんに愚痴んの。まぁでも、なんか最近、渡辺疲れてるっぽかったし、仕方ないんじゃない？』

ドクッと胸が高鳴る音がした

なにそれ。俺の仕事やってくれた上に、俺の体調気遣って庇ってくれるとか、なにそれ、、、、