チグリジアー愛して、助けてー (ページ46)

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華の金曜日、香織と涼太くんと私とで約束通り、居酒屋に飲みに来た

というよりかは、尋問されに来たに等しいだろう

香｢では早速、本題に入りましょう。渡辺とはどうなんですか？｣

急に仕切り始めちゃって。これは既にスイッチ入ってるわ

そのくせ、ジョッキからは手を離さない

涼太｢翔太からだいたいのことは聞いてるから、今のAちゃんの気持ちを聞かせて｣

涼太くんの落ち着いた声が、話しやすい雰囲気を作ってくれる

彼の聞き上手な上に、引き出し上手なところが感じ取れる

｢正直めっちゃドキドキする。最近はまともに目すら合わせられない｣

我ながら、なんとウブなんだろうと思ってしまう

それくらい翔太の言動は、私の心境に大きく影響しているということだ

香｢なにそれ！もう始まっちゃってるじゃん！｣

涼｢けど、ふっかのこと、まだ好きなんでしょ？｣

うん、と言う言葉が喉まで出かかる

いつもなら素直に認めるはずなのに、今日はなぜか答えを出すのに躊躇してしまう

なんでだろう＿＿＿＿＿

涼｢翔太の存在が既に、Aちゃんの中で大きくなってるんじゃない？｣

ストンっと心の中のもやもやが抜け落ちた感覚がした

あぁ、そうか。私の気持ちは、翔太に傾き始めているのか。

｢私、翔太のこと気になってるんだ｣

目の前にあるつくねをじっと見つめる

翔太、つくね好きとか言ってたな、なんて。

顔を上げると、前にいる二人が優しい顔で微笑んでいる

その光景に、目頭が熱くなる

｢うぅ～っ！！｣

香｢わー！泣くな！飲め飲め！今日は飲めー！｣

零れる涙をよそに、ジョッキに手をかけ一気飲みをする