チグリジアー愛して、助けてー (ページ43)

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43 岩本side ページ43

岩本side

Aとはふっか経由で知り合って、可愛いけどスバっと物を言える子なんだなーっていう印象だった

同じ会社に入社してきた時は驚いたけど、きっとふっかを追いかけてきたんだろうと、直ぐに察しがついた

ふっかのことが好きだなんて、一緒にいればすぐに気づいた

ふっかを見て一喜一憂するところも、ふっかと女子の絡みを遠目で悲しげに見つめるところも、本当は苦しいのに強がってる笑うところも、高校の時から全部知っている

Aのふっかに関する相談は、ずっーと俺が全部引き受けてきた

ふっかの前では強がっているのに、俺の前では弱気なる彼女に、最初の印象とは違う"可愛さ"を感じるようになった

ふっかには見せられない表情を、俺の前では見せてくれることに、優越感を感じていた

何度も俺に頼ってくる彼女が可愛くて、守ってあげたくなる存在だった

これが何ていう気持ちなのか、とっくに前から気づいてる

だから、今更辛いなんて感情はない

ただ、幸せになって欲しいだけ＿＿＿＿＿

ふっかもふっかで、Aのことが好きなのは俺にはバレバレ

なのに、全然変わろうとしない

しかも最近は、俺の後輩の翔太とも仲がいい様子で、勝手に焦りを感じている

翔太はふっかとは違って、誠心誠意、真正面からぶつかっている

そんな翔太がただただ羨ましかった

好きな人の好きな人がふっかだから応援しようと思ったのに。

ふっかじゃないなら、どうやって応援すればいいか分からない

言葉は悪いが、すぐ仲良くなっただけの翔太に心変わりして欲しくなくて、俺は｢ふっか推し｣だなんて言って、翔太の気持ちからも自分の気持ちからも逃げてるんだ

ふっかじゃないなら、ずっと近くにいた俺でもよくないか？なんて欲が自分の中から溢れ出る

気づいて欲しくないようで、気づいて欲しい、俺の人には言えない隠された想い