チグリジアー愛して、助けてー (ページ36)

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さっき聞いた声

｢え、翔太、、、、？｣

さっきのこともあって、めちゃくちゃ気まずい

居酒屋でのキスが一気に蘇ってくる

翔太は、私に目を向けた後、隣にいた蓮に視線を移し、怪訝な顔をする

あ、これ絶対勘違いされてるやつ

渡｢えっと、隣の男性は、、、｣

｢私の弟、っていっても血は繋がってないんだけどね。訳あって一緒に暮らしてるの｣

何事もなかったかように接してくる翔太に対し、心を必死に落ち着かせながら、受け答える

隣にいる蓮は、翔太に向かって軽く会釈し、それに応えるように翔太も会釈する

蓮が小声で、この人だれ？と聞いてくる

｢私の同期の、渡辺翔太。同じ部署なの｣

渡｢どうも、Aの同期の渡辺です｣

蓮｢Aの同居人の、目黒蓮です｣

渡｢苗字、ちがうんだ、、、｣

｢うん。色々あってね｣

この"色々"には、ほんとにいろんなものが詰まりすぎている

正直、あまり詮索されたくなくて、別の話題に変える

｢翔太も、今帰り？｣

渡｢そう。妹を彼氏んとこまで、送り届けてきたとこ｣

うわ、翔太がお兄ちゃんやってる

全然想像出来なさすぎて、ちょっと笑える

グイッ

隣から急に、しかも強めに腕を引っ張られ、少しバランスを崩す

蓮｢A、さむい。早く行こ｣

そう言って、なぜか私の手を左手を握り、歩き出す蓮

今までこんなこと、一度もなかったのに、、、、

｢あ、じゃあ、ま、またね！｣

翔｢お、おう、気をつけて帰れよ！｣

蓮に手を引かれながら、翔太に手を振る

握られる左手に温もりを感じるのに、目の前にある背中からはいつもとは違う雰囲気が感じられる