チグリジアー愛して、助けてー (ページ29)

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「え、ちょ、、、バカっ、はなしてっ」

離れようともがくけど、ガッチリ両腕に包み込まれた体はビクともしない

渡「ねぇ。さっきの"彼女"ってなに？」

耳元で問いかけられ、少しビクッとする

「ひ、ひかるくんが、個室にいるしょうた、と女の子が見えたっていってて」

渡「、、、ふーん。、、Aはさ、それ聞いてどう思ったの？」

「べ、べつに、どうも、、、」

お願いだから、早く離れて欲しい

さっきから、翔太が喋る度、唇が耳をかすめて、声が漏れそうになる

渡「あれさ、"彼女"じゃないよ？妹」

「へ？」

予想外の答えに、思わず後ろを振り向く

今の距離感を分かってたはずなのに、急に振り向いたことで有り得ないくらいの至近距離で翔太と目が合う

はやく、まえをむけ

脳が危険信号を送っているはずなのに、どうしても目を逸らすことができない

熱を含んだ目に吸い込まれそうになる

はやくしないと、のみこまれる＿＿＿＿＿

翔太の顔がスローモーションのように近づいてくる

避けられない

初めて見る、雄の顔に、鼓動が早くなり、変な気分になる

そして、そっと目を閉じる

数秒後、唇に柔らかい感触が伝わった