チグリジアー愛して、助けてー (ページ25)

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深「おっ、Aきた！」

ロビーへ行くと、ふっかとひかるくんは既に待っていた

「ごめん！待った？」

深「うん、待って「待ってないよ」

さすがひかるくん。素直に待ってるとは言わないところ、男だよね

ふっかはふっかで、ひかるくんをジトーっと睨んでいる

岩「A、ふっか置いてこーぜ」

「うん。いいと思う。サシで飲も」

深「おい！俺も連れてけ！」

この3人の空間がたまらなく好きだ

高校の時からずっと築き上げてきたこの関係が。

けど、ふっかと私の関係はずっと変わらない

イコール、もう恋には発展しない

「あ、深澤せんぱーい！」

前から、いかにもThe女子って感じの可愛い子が走ってくる

ふっかが手を出しそうな、子

深「おー！今井ちゃん！」

デレっとした顔してるふっかに苛立ちを覚える

鼻の下伸びてますけど

今「お久しぶりですね！3人でどこか行かれるんですかー？」

深「うん。今から飲みに行くんだ」

今「えー！わたしもいきたぁい！ご一緒してもいいですかー？」

ふっかでもなく、ひかるくんでもなく、私の方を見て聞いてくる

ここで断ったら心の狭い人間だって、会社中に言いふらすんだろうね

それを分かって、断れないことを知って、私に聞いてきたんだろうね

深「どうするー？」

どうする、じゃないよ

どうせ、ふっかは連れていきたいんでしょうけどね

せっかくの3人の空間を壊されたくない

けど、女としてのプライドが断る行為を邪魔する

岩「ごめん。俺、女子のそういう魂胆見えちゃう人なの。3人だけの飲みだから」

私が困っている時、いつも助けてくれるのはひかるくんだった

スバっと切り捨てるひかるくんに、今井さんは苦虫を潰した顔になり、慌てて去っていく

ポン、と私の頭に大きな手が乗っけると、優しい顔でほほ笑みかけるひかるくんに、思わず泣きそうになる