チグリジアー愛して、助けてー (ページ16)

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母が亡くなってから、1ヶ月後、ずっと意気消沈していた父は、お酒やギャンブルに手を出すようになった

私と蓮は、父の機嫌を損ねないようにすることで必死だった

なぜなら＿＿＿＿＿

バチンッ！

父『っおい！金あんだろ！？バイト代、寄越せよ！』

私が必死で働いて手に入れたお金を奪おうと、平気で暴力を振るうようになったから

蓮『父さん！！やめろよ！！！』

蓮も必死に止めようとするけど、男とはいえ中学生の力では成人男性に適うはずがない

結局、お金はもぎ取られ、身体中ボロボロに

古い痣の上から、また新しい痣ができる

こんな日々に私たちの体力も精神力も、どんどん削られていく

それでも耐えられるのは、蓮という守るべき存在がいるからだ

蓮もまた、私という守るべき存在がいる

互いが互いを守るために、生きている

あの頃の私の生きる意味は、蓮だった

けど、ある日＿＿＿＿＿

深『ねぇ、これなに？』

同じ高校でバイト先の先輩でもあった彼は突然、私の長袖をたくし上げた

今まで親しくも何もなかったのに、突然の行動に驚いた

私の腕を怪訝そうに見つめる彼

ハッとして、急いで痣だらけの腕を隠し、制服の右手の袖を握りしめたまま、下を俯いた

誰にも見られたくなかった

ずっと隠してきたのに。夏でもわざわざ長袖を着ていたのに。

不安と焦燥感に駆られ、頭が真っ白になる

深『ごめん。ビックリさせちゃったね』

あまりにも優しい声に、恐る恐る顔を上げると

優しくも泣き出しそうなその目と視線がぶつかった