チグリジアー愛して、助けてー (ページ1)

今日:16 hit、昨日:59 hit、合計:557,389 hit

1 ページ1

「私昨日さ、営業部の深澤さん、受付の佐藤さんと一緒にいるとこ見ちゃった」

「え～！一昨日は、経理部の前澤さんと一緒にいるとこ見た！」

「さすが、本命は作らないって噂だよね～」

「けど、企画部の工藤さん？とめっちゃ仲良くない！？」

「あ～、たしかに。でもあの人は別に深澤さんとただの友達って感じしない？」

「関係持ってない感じね。深澤さんにしては珍しいね～」

同じような会話を何度も聞いたし、なんなら聞き飽きた

そうだね、珍しいよね

周りにとっては、女殺し深澤の"ただの"女友達である私の存在は、すごく珍しい

そのポジションは、高校の頃からずっと変わらない

だから、私にとっても、ふっかにとっても、何もそれは珍しいことじゃない

『俺がお前を好きになれれば、どんなに楽なんだろうな』

今まで何度か投げられた、彼の何気ない言葉に、私はいつだって苦しめられる

私がふっかのこと好きだってこと、きっと彼は気づいている

けど彼が何も無い風に装うのは、私の気持ちに応えられないから

臆病な私は、告白して振られる覚悟もなければ、彼から離れられる勇気もない

今日もまた自分の気持ちに見て見ぬふりをする

ねぇ、お願いだから

誰か、この恋忘れさせてよ＿＿＿＿＿