気弱な少女はハンターを目指す。

テチガイ×ハ×シンジナイ ページ25

｢...ここ、どこ？｣


周りに人影は無く、ただひたすらに立つことしかできないこの状況。



ーー遡ること2時間前



ギタラクル、ヒソカとのトランプゲームは終了しており、彼女の静かな寝息が周りの空間の音となっていた。


時間が経過するごとに続々と合格者達が集まり初め、その者達の視線は、



｢おい、あれまじかよ...｣


奇抜な雰囲気を纏った2人に見守られ寝ている幼い少女にも見える女性であった。



何せ彼らの服や見た目は独特で拉致でもされたかのようなオーラを醸し出していた。





ーー遡ること1時間前


ようやく、試験監督が現れ、外に出された。

未だに寝ている彼女はギタラクルに抱えられ静かに、心地の良い顔をしていた。

その光景に衝撃を受けた試験監督達も顔を見合せ吹き出してしまうほどだった。




彼女がようやく目を擦り目覚めると、彼女は静かに言われるがままクジを引き、




そして試験監督に、


｢良いものを見せてもらったよ｣


そう言われて微笑まれた記憶しか彼女には残っていなかった。



ーーそして現在に至る。



必死に頭を人差し指でねじ込みながら考える。


｢...｣


思い出せない。


何せ、彼女の念能力はメリットが大きい分デメリットも大きかった。


メリットは、自分の知っているこの世にあるものなら何でも生み出せる、ということであった。


そしてその対価として、使われている材料を事細かに記憶しておくこと、また、使った場合、10分後には恐ろしい眠気に襲われる、という事であった。



また先程のことを覚えて居ないのは、記憶が錯乱しており、最早立てたことすら奇跡だった為である。






彼女は生まれながらに運が悪かった。

そう、彼女の家族が亡くなるまでは。



その後は信じられないほどの絶好調が続き、臆病な彼女が生き残れた理由が分かるほどであった。




でも時より彼女は不安に駆られる。



















私もいつか死ぬのではないか。



















その不安が夢に現れ、悪夢を見たその1日だけは絶対に眠ってはいけないほどの、悪運が彼女を襲うのであった。

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