テンゴク×カ×ジゴク ページ23
「ま、負けた…?この俺が?
こんな小娘に?」
目の前にはチェス板。
駒のクイーンが3つ置かれていた。
「な、んでだ?
確実にあのまま勝てたのに!!!!!」
異様なほど静かな空間ではただひたすらに彼の叫び声であろう怒声が耳を塞いでしまいたくなるほど腹立たしかった。
「…何故だ、いつ気付いた!?」
血走った目がこちらを凝視する。
「いつではなく、最初からです」
静かにそう答えると彼は私の声に合わせて訴える。
「じゃあ何故やらなかったんだ!!
俺が念を使っていることが分かっていたら、その能力も最初から使えただろう!?」
なんと品の無い喋り方だろう。
「貴方は私が思ったより賢く無かった様ですね」
「うるさい黙れ!!!!!」
そう言うと彼はチェス盤をひっくり返すのだった。
「先程の質問に答えるとするならば、
貴方が特質系か、操作系か判断をし切れていなかったんです。」
「はぁ!?」
嘘だろうと、目を見開く彼。
「では、順を追って説明致します」
これは馬鹿な彼の為ではなく、
これを見ている試験監督の為。
ーー
「まず最初にここに入った時、私は念の気配を感じました。そして貴方が身に纏うオーラを見て、念能力使いだと断定しました。
私は性格を見て、何系の念を使うのか考えます。
最初に思ったのは、2つ。
特質系か、操作系。
このチェスを挑んだと考えた時に操作系だと判断しましたが、それでは情報が少なすぎます。ですから観察をしました。
そして貴方は重点的ミスを犯します。
私を洗脳した。
我ながらチップや、トランプなどの賭け事は得意でして、チェスもその1つです。
ですが、貴方のクイーンは私のキングの目の前にあった。幼い子供でも分かるはずの危機的状況。
その時確信しました。
貴方は操作系なのだと。」
荷物をまとめながら話す。
「貴方が能力なんて使わなければ、能力を断定出来ず、私も能力を使わずに済んだのに。」
そう言って後ろをむくと、彼の断末魔らしきものが響いていた。
ーー
「お疲れ様♠」
「...お、お疲れ様です」
扉の先には優雅に腰を掛けるヒソカさんと、ギタラクルさん。
「随分疲れてるじゃないか♢」
ここは地獄ですか?
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環 - うにゃ猫さん» お優しいコメントありがとうございます!!そう言って頂けるだけで力めちゃめちゃ出てきました!うにゃ猫さんに喜んでもらえるように頑張って書きますね!🫶 (1月23日 15時) (レス) id: f9859fc4d8 (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ猫(プロフ) - とっても面白かったです!!!更新お待ちしておりますので頑張って下さい!(急かしてる訳では無いです!) (1月22日 17時) (レス) @page12 id: cc23ee52af (このIDを非表示/違反報告)
環 - おみじゅさん» コメントわざわざありがとうございます!!1番考えた夢主ちゃん設定見て下さりありがとうございます😭うわぁ本当でした!!英語が出来ないのがバレる…今から直してきます!教えて下さりありがとうございます!! (1月13日 16時) (レス) id: 1e80751cca (このIDを非表示/違反報告)
おみじゅ - コメント失礼します。主ちゃんの設定が大好きです!これからも更新頑張って下さい。あとイルミsaidのところsideではないでしょうか?間違っていたらすみません💦 (1月13日 15時) (レス) id: a6bf9f9a45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:環 | 作成日時:2024年1月9日 22時