気弱な少女はハンターを目指す。

バカ×モ×ホドホドニ ページ22

黙々とチェスの駒が動く音だけが響くこの空間で、彼の僅かな息を吸った音が聞こえた。





｢君、凄くチェスが上手いね。他のボードゲームも得意なのかな？｣


｢…さぁ。初めてチェスを誰かとやったので分かりません｣


｢そう。まぁ良いや。死ぬ前に何か言っておきたい事とかある？｣


そう言われ、初めて気付く。














あぁ、私の負けなのだと。



















彼のクイーンが私のキングの目の前に迫っていた。









｢1つ聞きたい事があるんです｣

｢なんだい？｣

｢何故、貴方は死刑囚になったのですか？｣





｢色々なことをしてきたけど、ここに入れられた理由は殺人さ。｣

｢…1人だけ？｣



















｢いや、まさか！聡明な君なら知っている筈だよ？｣










｢そう｣











溜息を1つ吐き、













｢それなら安心です｣














私の番が回ってきてようやく決心がついた。



















｢神々の創造(メーティスリコレクション)｣








頭の中でチェスの駒の材料となるものを思い浮かべるとそのまま手元に新たな駒のクイーンが現れる。
















｢チェックメイト｣

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