個性使いの堀越くん【ヒロアカ×文スト】【男主】 (ページ13)

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(敦、敦、えっと此処を曲がって)

彰は早足で廊下を歩く。

(僕が行くからな。大丈夫だからな！敦)

顔中に冷や汗が流れる。

(此処！)

彰は扉を勢いよく開いた。

「何だ！」
孤児院の、中学生位の少年が二人居た。
「彰ッ………兄さんッ？」
泣き顔でそう云う敦。

彰の中で何かが、フツフツと込み上げてきた。

「ハァッハァッ」
呼吸が、早く浅くなる。
焦っている。

(落ち着け、落ち着け……)

「手前等、何やってんの？」
ドス黒い声で云いながら、二人を睨む。

因みに声は無自覚だ。

「ヒュッ」
二人と敦は、小さな悲鳴を上げた。
彰は静かに敦の傍に寄った。
そしてしゃがんで、敦の頭を撫でた。

「血は出てねぇな。でも痛かったよな。大丈夫だよ。僕が来たからね！」
其の笑顔は、牢屋で見せた笑顔と同じだった。
ドス黒い声とは打って変わって太陽の様に明るい笑顔だった。

「で、君等は何なの？年下虐めて愉しい？」
「チッ、逃げるぞ！優！」
と一人が云った。
「えっ応！」
優と呼ばれた少年が返した。
すると、二人は何処かに逃げていった。

「ケッ腰抜けが」
彰は、二人が逃げた後を眺めて云った。
「彰お兄さんッ」
「ぁあ。大丈夫か？敦？怪我は？」
彰は、心配そうな顔で敦を見た。
「うッうわぁぁぁあ！」
安心したのか、敦は泣き出した。

(何か……既視感(デジャブ))

彰は静かに敦を亦、撫でた。