QK病系短編集4 (ページ7)

今日:57 hit、昨日:97 hit、合計:39,230 hit

- ページ7

ymmt side

あー、、身体重いな、、

普段なら、発作の後でも多少は寝られるんだけど。

なぜか今日は、あのまま一睡もできずに朝を迎えてしまった。

それでも、仕事に行かないわけにはいかないから。

最低限の身だしなみを整えたら、お守り代わりの吸入器をカバンに入れて家を出る。

歩く速度はいつもよりも落として、間違っても喫煙所の近くは通らないようにして、電車もなるべく空いてる車両を選んで、、

できることは全部やったつもり、なんだけどな。

山「…ｹﾎｹﾎｯ、ひゅっ、げほっ、、はぁっ、なんでっ、、」

駅からオフィスまでのわずかな道のりで、聞こえてきた怪しい呼吸音と喉が狭まる嫌な感覚。

まだ、吸入するほどじゃないし、とにかく早くオフィスに着いちゃいたい、、

そう思って少し早歩きをしたのが間違いだったのかもしれない。

山「…ｯｯ、ぜぇ、げほっごほっっ、ﾋｭｯｯ、ﾊｧｯ、、ｺﾎｯ、ﾋｭｰｯ、、げほっっ、、ﾊｧｯﾊｧｯ、、」

…っ、、やばい、、

もうあとはこのドアを開けるだけなのにっ、、

オフィスが見えて安心したのか、途端に酷くなった咳と喘鳴に負けて、つい座り込んでしまったらもう動けなくて。

それならせめて、このままでもいいから吸入を、、とも思うんだけど、手が震えてカバンの中をうまく探すことができない。

このままだと、ほんとにまずい。

誰か、助けてっ、、

(ｶﾞﾁｬｯ)
福「わっ…山本！？ちょ、どうしたの！？」

…！！ふくらさんっ、、！！

福「待って、喋らないでいいから首振って教えて。これ、喘息だよね。薬はある？」

山「(ｺｸｯ)」

福「よかった。バッグの中かな？ごめんね、中探すね。」

あぁ、良かった、、

きっと偶然なんだろうけど、オフィスの中から出てきた福良さんに見つけてもらえて、それだけじゃなくてすぐに状況を理解してもらえて。

福良さんが来てくれてなかったら、わりと冗談抜きで命の危機だった、、