QK病系短編集4 (ページ26)

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kwmr side

いつもより少しだけ遅い時間に出勤してきたこうちゃんは、一目見てわかるほどに体調が悪そうで。

そういえば、昨日僕の忠告を聞かずに薄着のまま帰って行ったし、きっとそれで身体が冷えちゃったんだろうな。

本来なら、具合が悪い時は無理せずに休んでほしいところだけど、せっかく頑張ってここまで来た努力を無碍にするのも憚られて。

とはいえ、倒れたりしたら大変だから、無理をしすぎない程度のところでストップかけてあげないと。

…と、思っていたら、席に着くなり顔を伏せたから、どうやら既に限界は近いらしい。

これは、様子見とか言ってる場合じゃないか。

そう判断して、半ば強引に撮影部屋まで連れて行って、寒さに震える身体に毛布をかけた。

そのまま、必要なものを集めに部屋を出て、多分数分かそこらで戻ったはず、なんだけど。

河「…こうちゃん、なんで泣いてるの？どこか痛い？」

渡「ｯｯ、ﾋｸｯ、わ、かんなぃっ、なんか、寂しくなって、ｸﾞｽｯ、涙、止まんなくなっちゃったｯ、、」

河「寂しかったの？ごめんごめん、体調悪い時に一人にされたら不安だよね。」

もしかしたらもう寝ているかもしれないと思ったこうちゃんは、なぜかポロポロと涙を流していて、そんなに辛いのかと焦ったけどどうやらそういうわけではないようで。

自分でもよくわかっていないみたいだけど、とりあえずしばらくはこうちゃんを一人にするのはやめようと決めて、近くの椅子に座る。

河「じゃあまず、熱測ろうか。それから、僕の私物だけど良ければこれ使って。ふわふわであったかいよ。」

渡「ん、ありがとうございます。…わ、ほんとだ、気持ちいい、、」

河「でしょ？これ、すごく良いの。」

とりあえず、今のこうちゃんの体調を把握するべく体温計を渡して、少しでも寒さを和らげるために僕が愛用してるふわふわブランケットも貸してあげた。

これで、外側からは十分に暖められてると思うんだけど、熱がある時特有の身体の内側から来る嫌なゾクゾク感を解消するにはこれだけではきっと不十分で。

どれくらい効果があるかはわからないけど、誰かにあったかいお茶でも持ってきてもらおうか。