3 ページ28
大倉side
びしょ濡れのまま楽屋に帰るわけにもいかへんし、かといってこのままおったらもっとしんどくなりそうやし…
俺、どうしたらええんやろ。
とりあえず、廊下のど真ん中に立ち続けるんはあかんよな。
誰か通るかもしれへんし、濡れたとこ拭かなあかんし。
しゃあない、ひとまずトイレにでも行って掃除道具取ってこよ。
というか、俺が濡らしたわけでもないのに何で掃除なんかせなあかんねん。
…そう思った矢先、
「…ｯ……ぅっ………あかんｯ……」
いきなり吐きそうになって、トイレにダッシュ。
「…ﾊｧｯ……おぇっ……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…うえぇっ……」
間一髪で間に合って安心したのも束の間、今度は治まらない吐き気と異常な寒気に襲われて。
何度も吐くうちにだんだん頭がぼんやりしてきて、このままやと意識飛んでまうなぁ、なんてどこか他人事みたいに思っとったら、
「…大倉っ！ちょ、どないしたん！？びっしょびしょやん！」
「…ん……？…ﾊｧｯ……亮、ちゃん…？」
なぜか聞こえてきた亮ちゃんの声。
「気持ち悪くなってもうたか。朝から具合悪かったんやろ？もっと早く声かければよかったな、ごめんな。」
そう言って優しく背中をさすってくれて、
「少し落ち着いたら楽屋戻ろうな。服濡れとったら寒いやろ。とりあえずこれ着とき？…んー、熱もありそうやな…」
俺の濡れたシャツを脱がせて自分が羽織ってたパーカーを貸してくれた。
なんか、怒ってると思ったんに急に優しくされたから感情がめちゃくちゃになってもうて、
「…ｸﾞｽｯ……亮ちゃｯ……ﾊｧｯﾊｧｯ……しんどいっ……ﾋｯｸｯ…ぅっ…ぅぇっ……ｯｯ……も、いややぁ…！」
自分でもようわからんうちに号泣してもうて。
それでも、
「ほら、泣かんで大丈夫やって。嫌なことあったんなら話聞くから、な？ゆっくりでええからそろそろ楽屋行こか。」
って頭撫でてくれる亮ちゃんはやっぱり優しい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パンジー(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。 (2017年4月5日 8時) (
レス) id: 700a76e6c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅ(プロフ) - リクエストに応えて頂きありがとうございました。期待通りの内容でとても良かったです♪ (2017年3月17日 22時) (レス) id: 3ed0e6fa7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：理系女子♪ | 作成日時：2017年2月21日 22時
