夢くらい見させてください日常編【ヒロアカ×東京喰種:re】 (ページ12)

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続き（Ⅰ~Ⅱ）ページ12

少し思い出というか感傷に浸っていたら

『似顔絵...だよね。前髪あげよっかな...』

轟「...！？」

突然そんなことを言い出す金木

近くにいた八百万にヘアピンを貰い器用に前髪を上げた

あまり普段から顔を見ねぇから新鮮すぎて

直視するなんて出来なかった

窓側もあって余計に輝いているように見えてしょうがない

周りと金木黙々と描いているなか

俺は緊張するあまり手が震えて描けなかった

『...大丈夫？調子良くない？』

轟「いや、平気だ...ただ、びっくりしてるだけだ」

『何か外で見たの？UFO？』

轟「UFOは見てねえ」

真面目そうだが

少しホワホワとした性格だなと思った

そのギャップに胸打たれつつも

何とか落ち着けれてようやく取りかかれた

「そろそろ終わったかな？お互いに見せ合って、鑑賞会しましょう！」

先生の指示通りに見せた

轟「...上手いな」

『そうかな...轟くんも上手だよ』

俺のは大して上手くはないが金木はめちゃくちゃ上手かった

俺、こんな顔してたんだ...

鏡とは違った俺がそこにあった

口角が少し上がって

いつもしわ寄せていた眉は緩くなっていた

『なんでいつも怒ってる顔してるのか分からないけど、いつかこんな風になれたらいいね』

そう金木は微笑んだ

轟「...頑張る」

『もし、私にできることがあれば言ってね』

轟「あぁ、ありがとな」

多分親父に反発している今は無理だが

この先金木の願い通りそうなるだろうか...

雄英で過ごしていく中でこんな風になれるのだろうか...

この時俺は知らなかったが

体育祭で緑谷のおかげでこんなにも早く金木の描いた似顔絵のような表情になれた

それに金木の事...

悲しくて辛い過去を持つ金木を知った

金木の優しさの裏に泣きたくなるような悲しさ、思いがあることも知った

お互いぶつかり合ったが

体育祭の後の休み明け

仲直りができた

金木は今も行方不明の兄を想って

1人俺らに隠し寂しく悲しんでいる

そんな金木を友人としても、仲間としても、片思いをしている人間としても

支えたいし守りたいって

そう思った

あの美術の授業は俺に大きなきっかけの予兆を予知したのだろうか

そう思うとあの授業に感謝するしかねぇ

そして大きく進展し

職場体験で俺と金木...いや、Aと付き合うことになった

1度「俺のこと好きか」と聞いてみたら「うん、一緒にいると落ち着く」

そうAは言うから

嬉しくてしかたがなかった

あぁ...幸せだ